2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒト大動脈解離におけるシングルセルRNAシークエンスによる成因解析
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22K08935
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡田 健次 神戸大学, 医学研究科, 教授 (90284356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 大志 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (50868487)
山中 勝弘 神戸大学, 医学研究科, 講師 (70729384)
江本 拓央 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80855023)
山下 智也 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (90437468)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大動脈解離 / シングルセルRNAシークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
A型急性大動脈解離患者の上行大動脈サンプルを用いてシングルセルRNAシークエンスを行った。大動脈解離サンプルは2症例から採取し、過去の論文から抽出した正常大動脈の表現遺伝子と比較検討を行った。CD45陽性の炎症細胞に着目し、合計11種の細胞集団を同定した。これらを過去の報告と照らし合わせ既存の細胞分類に置き換えた。最大の細胞集団はT細胞であり、ついで骨髄系細胞が大きな細胞集団であった。これらの細胞集団は全体の70%以上であった。このうち骨髄系細胞におけるRNA発現の違いを検証した。急性大動脈解離サンプルではIL1B陽性マクロファージが顕著に増加し、骨髄系細胞における最大の細胞集団であった。これは正常大動脈おいて最大の細胞集団がLYVE1陽性マクロファージやC1Q陽性のいわゆるM2様マクロファージである点と大きな解離を示していた。さらにTrajectory解析によりこれらのマクロファージはS100A8陽性のclassical monocyteから派生した細胞集団であることを同定した。大動脈解離のprimary entry周囲の組織サンプルで行った組織学所見から、これらのマクロファージは大動脈外膜の偽腔側に集積していた。 一方で、T細胞では特徴的にmemory細胞の発現などは見られなかった。以上から大動脈解離の発生については骨髄系細胞の遺伝子発現も加味すると、獲得免疫よりも自然免疫に由来した炎症性変化を背景にした機序が存在する可能性が示されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定よりも早く大動脈解離サンプルが得られたことから、解析により早く移行することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプル数が限定的であるため新たなサンプルを獲得し患者間での遺伝子発現をさらに平均化する必要がある。IL1β抑制による大動脈解離抑制により大動脈解離の発生メカニズムを明確に同定する。
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Causes of Carryover |
大動脈解離サンプル数を増加させる必要があるため。
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Research Products
(1 results)