2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞を用いた異種動物由来ヒト化自己成長型血管グラフトの開発
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22K08956
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Research Institution | The Tazuke Kofukai |
Principal Investigator |
金光 ひでお 公益財団法人田附興風会, 医学研究所 呼吸・循環研究部, 研究主幹 (60810166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 義 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40281092)
岸田 晶夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60224929)
升本 英利 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (70645754)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ヒトiPS細胞 / 脱細胞組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脱細胞化ゼノグラフト(異種動物)血管組織作製技術と臨床使用品質のヒトiPS細胞技術を組み合わせ、生体適合性の高い自己成長型ヒト化血管グラフトを開発することである。本研究で開発する生体適合性の高い人工血管は、先天性心疾患手術のみならず多岐にわたる心臓血管外科領域における遠隔期手術成績および患者QOLを向上させることが期待される。本年度は以下の2項目について主に研究開発を行った。 1.脱細胞化ゼノグラフト血管組織の作製:我々の既報に従い、高静水圧(10,000気圧)により、ウシ血管組織の脱細胞化を行い、脱細胞化ゼノグラフト血管組織を作製した。その際、温度・時間等の最適条件を探索し、最適化することが出来た。組織学的な評価や残層DNA量の測定により細胞残存のないことを確認した。 2.HLAホモiPS細胞由来血管内皮細胞・血管平滑筋細胞分化誘導法の開発:この課題の予備実験として、非臨床用汎用iPS細胞株(201B6株)を用いて血管内皮細胞および血管壁細胞(血管平滑筋細胞)の分化誘導を行った。細胞播種密度あるいはサイトカイン投与量・濃度等の調節を行い、最も効率的に各細胞種を分化誘導しうるプロトコルを確立した。また、誘導した細胞の純度をフローサイトメトリーにより表面マーカー(血管内皮細胞:CD31 / VE-cadherin、血管壁細胞:PDGFRb)の定量を行い、十分な純度で血管内皮細胞および血管壁細胞を分化誘導しうることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度において、この研究の初期段階として重要と思われる脱細胞化ゼノグラフト血管組織の作製ならびにヒトiPS細胞由来血管内皮細胞・血管平滑筋細胞分化誘導法の開発についてほぼ確立することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は本年度の研究成果を踏まえ、HLAホモヒトiPS細胞における血管内皮細胞・血管平滑筋細胞分化誘導法を確立し、さらに脱細胞グラフトに対する血管細胞播種による再細胞化実験を実施し、その効率的な生着条件を同定するとともに、再細胞化グラフトの機能評価及び組織学的評価を実施する。
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Causes of Carryover |
細胞培養に関連する諸経費が予想よりやや安価であったために次年度使用額が生じた。その分次年度の実験量を増やすことを計画している。
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Research Products
(8 results)