2022 Fiscal Year Research-status Report
An optimized detection system for lung malignancies using 5-aminolevulinic acid.
Project/Area Number |
22K09011
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
山内 良兼 帝京大学, 医学部, 講師 (30445390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂尾 幸則 帝京大学, 医学部, 教授 (00274605)
齋藤 雄一 帝京大学, 医学部, 准教授 (70384071)
出嶋 仁 帝京大学, 医学部, 助教 (00891201)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 5-アミノレブリン酸 / 肺癌 / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
健康食品として流通している5-アミノレブリン酸(5-ALA)が、腫瘍細胞特有の代謝により細胞内にポルフィリンとして蓄積され尿中に代謝物として排出されるという特徴に注目した。5-ALAはヘム代謝の中間基質である。このため、投与された5-ALAは、ペプチドトランスポーターなどで細胞質に取り込まれ、内生の5-ALAと同じ代謝経路でコプロポルフィリノーゲンまで代謝され、ミトコンドリア内に移動してプロトポルフィリンⅨ(PPIX)に代謝される。正常細胞では、PPIXに2価鉄が配位されてヘムに代謝されるが、腫瘍細胞ではワールブルグ効果によってミトコンドリア内の2価鉄が不足しているため、右図に示すようにヘムまで変換されず、PPIXが特異的に蓄積する。PPIXは代謝分解されウロポルフィリン、コプロポルフィリンになり腎臓から尿中に排泄される。5-ALAを服用し尿中ポルフィリン代謝物を測定することにより、すなわち非侵襲的な尿検査で腫瘍の存在を特定できる可能性がある。実際、肺癌術前症例に対して5-ALA 150mgの服用後に尿中ポルフィリン代謝物を測定したところ健常者と比較して尿中ポルフィリン代謝物が増加していることを確認した。肺癌検出マーカーとして肺結節の鑑別に用いたり、肺癌術後のサーベイランスに用いるに必要な方法の改善を図っている。本法は非侵襲的、安価で安全性も高いことから、従来行われてきた盲目的な無症状症例における画像検査や血液検査に置き換わる可能性があり、医療費の削減に繋がると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物モデルを利用した5-ALA投与方法の再検討を予定していたが、所属施設内の実験動物取り扱いのルール変更に伴い予定していた動物実験がスケジュール通りに実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
動物モデルでの実験を速やかに実施し、さらなる改善につながる条件設定について検討する。そのうえで再設定された5-ALA投与方法を用いて検証することを目的とした介入を伴う単アームでの研究を施行する。
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Causes of Carryover |
動物実験が予定通り実施できなかったため、予定よりも使用額が少なくなる結果になった。
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