2022 Fiscal Year Research-status Report
移植患者の免疫抑制薬による疼痛の発症メカニズムを明らかにしその治療法を確立する
Project/Area Number |
22K09037
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
白石 成二 広島大学, 病院(医), 寄附講座教授 (90216177)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸田 豊明 宮崎大学, 医学部, 講師 (20363591)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 免疫抑制薬 / Nav1.7 / カルシニューリン |
Outline of Annual Research Achievements |
臓器移植や造血幹細胞移植後などの患者に免疫抑制剤サイクロスポリンやタクロリムスを投与すると下肢を中心とした劇痛を発症する。この疼痛はNSAIDsやオピオイドの効果がなく難治性であり、免疫抑制剤の作用機序であるカルシニューリン阻害効果からカルシニューリン阻害薬誘発疼痛症候群(Calcineurin inhibitor induced pain syndrome: CIPS )として報告された。しかし,未だに有効な治療法がなく、多くの移植患者のQOLを低下させており治療法の開発が求められている。本研究の目的は、CIPSの発症メカニズムを明らかにし有効な治療法を開発することである。 令和4年度の研究結果 1)SDラットに免疫抑制剤タクロリムス (1.5mg/kgを腹腔内投与7日間)を投与しCIPS疼痛モデルを作製した.疼痛評価はvon Frey test Dynamic Weight bearing test Allodynia scoreで行動薬理学的に行い,疼痛閾値の低下がみられた. 2)SDラットDRG培養細胞を用いてタクロリムスで処置しNaチャネルmRNAに対する影響をrealtime PCRで測定した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
免疫抑制薬タクロリムスによる疼痛モデルは作成できた. Naチャネルのupregulationについてタンパクレベルでの評価ができていない.
|
Strategy for Future Research Activity |
オプトジェネティックシステムを用いてFK506による疼痛閾値の低下を調べ,Naチャネルのupregulationを検証する.
|
Causes of Carryover |
免疫抑制薬による疼痛モデル動物の作成のためのパイロットスタディを行ったので,動物や試薬の購入が少なかった. 令和5年度は多くの動物と試薬を購入する予定である.
|