2022 Fiscal Year Research-status Report
小児有熱性けいれん重積のなかでのけいれん重積型急性脳症発症予測
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22K09143
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
一ノ瀬 文男 佐賀大学, 医学部, 教育指導助教 (20618459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 宗明 佐賀大学, 医学部, 教授 (20219398)
川口 淳 佐賀大学, 医学部, 教授 (60389319)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | けいれん重積型急性脳症 / 有熱性けいれん / けいれん重積 |
Outline of Annual Research Achievements |
けいれん重積型急性脳症(遅発性拡散能低下を伴う二相性脳症、以下、AESD)は、けいれん重積後に一過性の意識回復期間をはさんで意識障害、けいれんをきたす二相性の経過を特徴とする。約7割に知的障害などの後遺症を残すことが知られており、有効な治療法はないのが現状である。そのため、初回けいれん後早期の有効な治療介入が必要であり、早期の発症予測が不可欠である。治療介入について、様々な報告があるが、対照群の存在しない状況での有効性の評価は困難な状況である。AESDの国内での発症数は、平成22年の厚生労働省研究班の報告によると、AESDは3年間で約300例の発症があり、そのほとんどは4歳以下(特に2歳未満に多い)の乳幼児であった。我々は有熱性けいれん重積とAESDの後方視的全国調査の結果をもとに、新たなAESD発症予測スコアを考案したが、このスコアは後方視的検査結果に基づくものであるため、検査項目によっては欠測値が多く、真の有用性評価のためには、前方視的な検証を必要とする。前向きレジストリで有用性の検証することにより精度の高い予測スコアの開発ができれば、早期の治療介入の可能性を広げることが可能となり、介入の有効性の客観的な評価も可能となる。以上より、本研究は、2歳未満の小児の有熱性けいれん重積とAESDについて前方視的にレジストリを作成し、①新しい発症予測スコアを検証するとともに、②AESDの発症を予測するリスク因子の前方視的検索を行い、③AESD発症予防の介入方法を構築するための基礎資料を作成することを目的としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍の影響で予想より症例集積は遅れていたが、令和5年3月末までで症例登録期間を終了とした。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、収集されたデータについて、各研究協力機関へ確認作業を行っており、作業終了後より統計学的な解析を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度で統計学的な解析まで行っておらず、統計解析の実施費用や、情報収集のための研究会への参加費用として、研究費の使用が必要であるため。
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