2022 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of the emergency transport decision making program for patients with acute myocardial infarction using artificial intelligence (AI)
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22K09185
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
油布 邦夫 大分大学, 医学部, 准教授 (00437930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
行天 啓二 大分大学, 理工学部, 講師 (80305028)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 病院前心電図 / door-to-balloon time / 急性心筋梗塞 / 救急搬送 / クラウド心電図伝送システム |
Outline of Annual Research Achievements |
今回我々は、C-ECGがACS疑い患者を最適な施設に搬送するのに役立つという仮説を評価し以下の様な解析結果を実証し実績を上げた。 大分県内の10消防署の救急車18台にC-ECGが搭載されている.救急隊員は接触現場で患者から12誘導心電図を取得し、18病院(13施設:経皮的冠動脈インターベンション(PCI)可能施設(PCII)、および5施設:PCIを行わない地域中核病院(RCH))に伝送した。41ヶ月の間に、ACSと疑われる476症例が伝送され、循環器内科医によって解析された。24症例はPCIIに伝送されたが、PCIを行う必要がないと判断され、直接RCHに搬送された(PCII-RCH)。RCHに転送された35症例は、PCIを行う必要があると判断され、PCIIに直接搬送された(RCH-PCII)。心血管疾患の有病率とprimary PCIの頻度ともに、PCII-RCH群よりRCH-PCII群で有意に高かった(p<0.01)。RCH-PCII群と、C-ECGをPCIIに送ってそのまま直接PCIIに搬送した群(PCII-PCII)との間で、door-to-balloon timeに有意差はなかった(49±14分 vs 59±20分、p=0.14)。 結論として、病院前12誘導心電図がACS疑い患者を最適な病院へ搬送するために有用であることを実証し、Circulation Journalに英語論文で報告した。またICUとCCU(第46巻2022年)、第48回大分救急医学会パネルディスカッション(2022/5/29 大分)、第34回日本心血管インターベンション治療学会九州・沖縄地方会シンポジウム(2022/8/29 宮崎)に関連の内容を発表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は病院前12誘導心電図がACS疑い患者を最適な病院へ搬送するために有用であることを実証した.これはCirc J. 2022;86:1481-1487. doi: 10.1253/circj.CJ-22-0178. に報告した。ICUとCCU 第46巻 第8号 2022年8月10日発行 526-528 2022年、第48回大分救急医学会パネルディスカッション(2022/5/29 大分)、第 34 回 日本心血管インターベンション治療学会 九州・沖縄地方会シンポジウム(2022/8/29 宮崎)に関連の内容を発表することができた。 その他データ収集や解析も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はさらに病院前心電図の都市部と遠隔地域での効果の相違についてすでに解析が開始されている。病院の夜間休日と平日日勤との効果の相違についても解析中である。さらに人工知能への心電図学習について共同研究者と議論し心電図読み込みについて課題があることを認識した。これにおいても今後進めていけるか模索中である。
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Causes of Carryover |
当初、2022年度計画では、救急隊や参加病院からの情報収集が主な活動目標であった。また書籍からの研究関連技術や知識の集積も行ったが、それらの諸書籍購入する上で出版時期などの都合から2022年3月を越えて2023年度に購入、使用することを計画した。このため次年度使用額が生じた。
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