2022 Fiscal Year Research-status Report
Search for the novel biomarker to evaluate the severity of heat-related illness
Project/Area Number |
22K09191
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
射場 敏明 順天堂大学, 医学部, 教授 (40193635)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 宣宏 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (80267955)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 熱中症 / 多臓器障害 / 血管内炎症 / 活性化好中球 / 血管内皮細胞障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究により、熱中症においては暑熱による脱水、エネルギー需要の増大以外にも、thromboinflammationと称される血管内炎症が重要な役割を果たしていることが明らかになった。このthromboinflammationには血管内で炎症と凝固同時に活性化さて、両者の相互作用で増強される現象で、白血球から放出されるextracellular traps, damage-associated molecular patternsや単球や血小板、内皮細胞における凝固活性化物質の発現と、microvesicleの放出などの役割が大きい(Iba T, Helms J, Levi M, Levy JH. Inflammation, coagulation, and cellular injury in heat-induced shock. Inflamm Res. 2023 Mar;72(3):463-473.)。このため、熱中症におけるバイオマーカーとしては、炎症および凝固を反映する因子が有望であり、interleukin-6およびD-dimerの測定、評価を中心に解析を行った。その結果、interleukin-6は熱中症症例での増加が確認され、診断に有用である可能性が示唆された。一方、D-dimerに関しては感度が高く、非熱中症症例での陽性例が相当程度あり、熱中症症例との間で差はみられなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の研究に関しては実験計画時に想定した血管内で生じるイベントに関して概ね予想通りの結果が得られている。しかしながら、重症例の登録が限られており、重症度との関連については未だ検討が行われていない状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度も引き続き奨励の蓄積に努め、とくに重症例の集積に注力して研究をすすめていく予定である。
|
Causes of Carryover |
特に中等から重症例を中心に症例集積を図る必要があるが、症例蓄積が順調に捗らない場合に備える必要があると考えた。
|