2022 Fiscal Year Research-status Report
安静時fMRIを用いたiNPH診療の新たなイメージングバイオマーカーの探求
Project/Area Number |
22K09211
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 紘史 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (90727489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 智康 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (20865133)
間瀬 光人 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (60238920)
菅 博人 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (80789305)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 正常圧水頭症 / 脳機能画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性正常圧水頭症(iNPH)は手術介入により症状や生活の質の改善が期待できる疾患である。診断には脳の形態画像や髄液排出試験の反応性を用いるが、高齢などの患者背景が診断や手術の適応決定を躊躇させてしまう場合も散見される。本研究の目的は、臨床的に主観的評価となりやすいiNPHの治療効果(脳機能改善)を画像解析により示すことである。評価には、機能的結合ネットワークを簡便に評価しうる安静時機能的MRI(rs-fMRI)を用いる。①神経症候(高次脳や運動機能)と術前rs-fMRIでの異常な脳内ネットワークとの関係性、②術後改善する神経症候とrsfMRIでの変化との関係性を評価し、「病態および治療の要となる脳機能ネットワークの異常とは何か」を検証する。研究結果は、iNPH患者における手術による脳機能改善効果を予測する指標として、簡易で非侵襲的な新しいイメージングバイオマーカーとなる可能性がある。 本研究は患者/健常者対象の臨床研究で,研究の実施に当たっては、MRI検査を追加で行う必要がある(軽微な侵襲を伴う)ため、2022年度は、学内医学系研究倫理審査委員会への承認を得るべく、書類申請を行った。 研究の進捗状況としては、2022年度は患者症例で15例ほどのデータ収集ができたものの、健常者例については、1例のみにとどまった。患者例のデータ収集は順調と言えるが、健常者例のデータ収集は当初予定より遅れている。2023年度は、データ収集を継続しつつ、データ解析(グループ解析)も行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、患者例及び健常者例を対象とする研究である。患者例については、比較的順調に症例蓄積が得られているが、健常者例のデータ蓄積については、協力者確保の諸手続きなどに時間を要しており、やや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
患者症例の蓄積については、比較的順調である。健常者例については、院内外に募集ポスターを掲示するなどで、協力者確保を進めたい。データ収集に併行してで解析を進め、研究結果を吟味し、成果に向けて一定の見解が得られそうかを考察したい。
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Causes of Carryover |
MRI検査室の施設利用料(検査料)については当初研究費で負担する計画であったが、術前検査の一貫として追加で行う検査に留まるため、被検者(患者)の保険診療内で検査可能であることから研究費からの支出は要していない。 2023年度は症例の集積に応じてデータ管理、解析用の必要物品や、データ収集に要する消耗品等を購入予定である。また、健常者例については、検査料、謝礼などにかかる諸費用が支出される予定である。
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