2023 Fiscal Year Research-status Report
脳動脈瘤の臨床表現型に着目したRNF213の網羅的解析
Project/Area Number |
22K09294
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
村井 保夫 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (30287750)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 淳 金沢大学, 附属病院, 特任教授 (10307952)
亦野 文宏 日本医科大学, 医学部, 講師 (70557511)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 脳動脈瘤 / もやもや病 / 遺伝子 / 内頸動脈 / 中大脳動脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
もやもや病の感受性遺伝子であるRNF213 (rs112735431) は、もやもや病類似血管狭窄疾患におけるRNF213の臨床的意義は不明である。一方、RNF213はもやもや病における臨床症状、特に虚血の重症度や周術期合併症などとの関係が明らかになっている。さらに、我々は自己免疫疾患、特にバセドウ病に合併する頭蓋内血管狭窄が、遺伝子変異の観点から類似性が高いことを報告した。 また、もやもや病類似血管狭窄との関係と、内頸動脈瘤に限定した報告もした。 これら我々の先行研究で示された、内頸動脈瘤にRNF213の発現頻度が従来の報告よりも高いことから想起した研究であるため、血管狭窄のリスクという観点から、脳血管攣縮の発現との関係も調査する必要があると考えている。
今回は、研究対象を頭蓋内内頸動脈瘤全体に広げて研究を行っており、患者個々人から同意を得て、血液を検体としてDNA抽出と、遺伝子資料が収集されてきている。またもやもや病症例も蓄積を開始した。本年度は、並行して甲状腺機能障害であるバセドウ病とRNF213の関連もバイバンクジャパンの資料を用いて調査することを開始した。抽出対象とするRSナンバーのリストが完成し、当該症例の遺伝子変異の有無と臨床情報を入手する手続きを行なった。2024年9月ごろにこれらの情報が提供される予定となっている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当院における資料収集については、倫理審査も終了し、共同研究施設でも倫理審査が行われ、検体採取が開始されている状況から、概ね順調に進捗していると判断した。
一方、バイオバンクジャパンからの資料収集については、現在依頼し、解析を待っている段階であり、半年ほどの時間が必要との連絡があり、進捗の遅れの原因となる可能性がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
次のような予定である。
1)検体採取のための蓄積を継続していく。 2)臨床情報のデータ入力を開始する。 2)バイオバンクジャパンからの解析資料については待機状態となっているため、こちらについては、文献検索、収集、解析方法の検討をしておく。解析結果が出た時点ですぐに次の段階に進めるように準備しておきたい。
|
Causes of Carryover |
次の2点が原因と考えられる。遺伝子抽出解析を外注委託しているため。バイオバンクジャパンからの資料が届いておらず、解析用備品を購入していないため。これらの原因が解決されると順次、使用額が適正化されると考えております。
|
Research Products
(2 results)