2023 Fiscal Year Research-status Report
自家筋膜周囲組織と間葉系幹細胞移植を用いた難治性巨大骨欠損治療法の開発
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22K09324
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三島 初 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60361341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 久 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (10752553)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 巨大骨欠損 / 自家筋膜周囲組織 / ウサギ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究計画として、個体毎の骨髄由来間葉系幹細胞を培養し、人工骨に含浸させ ウサギの大腿骨骨欠損へのmasquelet法に応用する実験計画を立てた。 実験計画に沿って、まずラット骨盤由来間葉系幹細胞の培養手法の確立および体制整備を行った。12週齢の日本白色家兎に全身麻酔を行い、無菌的に左右の腸骨稜より18Gの骨髄穿刺針を用いて骨髄液を回収した。骨髄液は凝固を避けるため、速やかにACD-A液と混和させた。1羽から回収できた骨髄液は約3ml程度であった。得られた骨髄液は遠心分離を行い、血球成分を除去し、血漿および間葉系幹細胞層を含むbuffy coat層を抽出し、細胞培養を行った。αMEMに10%FBSを混合した培地を用い、培養を行ったが、細胞培養がうまく行かず、当初予定していた細胞数を得ることが出来なかった。研究を担当する人員の問題もあり、当初予定していたウサギ大腿骨骨欠損部への骨髄血含浸人工骨移植の動物実験まで至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度の動物実験において、骨癒合促進のツールとして筋膜周囲組織の効果を期待したが、現行治療を越える効果は見いだせなかった。筋膜周囲組織は遊離移植を行っても早期に再生着し、周囲組織からの血流が再開すると報告されているが、本実験系ではその効果は見られなかった。筋膜周囲組織を遊離移植で用いた際の生着を補助する工夫が必要と考えられた。さらに、本年度の課題として細胞培養体制の確立を目指したが、対応人員不足や手技の問題から目標とする細胞培養体制を確立出来なかった。研究計画としては大幅に遅れており、予備実験を含めた追加実験が必要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は筋膜周囲組織とPTH製剤、培養した間葉系幹細胞を含浸させた人工骨の組み合わせで新規骨再生治療を開発することを目標としたが、筋膜周囲組織を移植骨周囲に巻いたモデルでの骨癒合促進効果は認められなかった。今後は筋膜周囲組織の血管増生を促進する薬剤として塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の投与を検討している。濃度、投与方法を検討することで、筋膜周囲組織を遊離移植した際の早期生着、血管増生効果ならびに骨癒合促進効果を評価したいと考えている。
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Causes of Carryover |
人員の都合上、細胞培養体制の確立が困難であったため、本年度の研究進捗が想定通り進まなかったため。
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Research Products
(1 results)