2022 Fiscal Year Research-status Report
3次元MRI半月板定量化による住民コホートにおける変形性膝関節症の自然経過の解明
Project/Area Number |
22K09349
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
片野 尚子 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 准教授 (50376620)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関矢 一郎 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 教授 (10345291)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 再生医療 / 体性幹細胞 / 間葉系幹細胞 / 半月板 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、3次元MRI解析による定量化によって、地域住民コホートにおける軟骨・半月板の状態とその経時的変化を明らかにすることである。そのために、3つの課題として、第1に、健常人ボランティアの3次元自動MRI画像による半月板測定値の再現性評価、第2に地域住民コホートにおける性別年齢層別の半月板の計測、第3に縦断データに基づく半月板計測値の変化量の評価を行う。 初年度は、第1の課題を実施した。はじめに、特定の慢性疾患を持たず、日常生活に支障のない10名の対象者の膝を同日に2回ずつMRI撮影し、そのデータを用いて、大腿骨、脛骨、半月板を全自動で3次元構築し、脛骨の長軸方向に2次元に投影して軟骨の関心領域ROIを自動設定した。同様に半月板も2次元に展開し、内側・外側半月板の領域ごとに半月板の面積、体積、幅、厚みを測定した。半月板被覆率は半月板と軟骨ROIの重なった面積の軟骨ROIに対する割合と定義した。これらの定量値の信頼性を相対的測定誤差および級内相関係数で評価した。その結果、半月板全体の面積、体積、半月板被覆率、および内側半月板、外側半月板の中間部の幅、厚さの相対的測定誤差は3%未満であった。また、半月板の体積、面積、半月板被覆率のICCは0.96以上であった。これらの誤差は、今後実施する縦断的研究および介入研究で観察される変化の重要性を示す指標となると考えられた。 次いで、地域住民コホートデータ561症例について、大腿骨、脛骨、膝蓋骨、半月板の3次元画像を作成し、横断研究として、膝蓋骨軟骨の欠損症例を抽出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画を達成し、計画を前倒しにして次年度の計画を進めているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
地域住民コホートデータ561症例について、大腿骨、脛骨、膝蓋骨、半月板の3次元画像を作成し、膝蓋大腿骨関節の形態学的解析を進め、膝蓋骨の軟骨欠損の位置、形態による分類、及び有病率を求める。さらに、性別、年齢層別の半月板測定値の平均と分布を求め、縦断研究に繋げ、変形性膝関節症の自然経過の解明を目指す。
|
Causes of Carryover |
研究が予定よりも進み、海外学会での発表の代わりに、論文作成を先に進めることとしたため。次年度使用額は、論文投稿料に使用する。
|