2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the molecular mechanism of ectopic ossification control in posterior longitudinal ligament ossification
Project/Area Number |
22K09410
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
松岡 佑嗣 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (50408126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤地 恭昇 東京医科大学, 医学部, 講師 (20571152)
鈴木 秀和 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (40317871)
遠藤 健司 東京医科大学, 医学部, 准教授 (90266479)
山本 謙吾 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (10246316)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 後縦靱帯骨化症 / mTOR経路 / 骨分化 / 軟骨分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
後縦靱帯骨化症(ossification of posterior longitudinal ligament: OPLL)は,後縦靭帯に軟骨内骨化様に異所性骨化を形成し脊髄を圧迫することで脊髄症を生じたり,軽微な外傷等により脊髄損傷を引き起こし,著しく日常生活を損なう疾患として特定疾患に指定されている難病であるが,未だ有効的・根本的な保存治療法はない.近年の基礎研究成果により骨量減少を来たす骨粗鬆症に対し,骨代謝を正に促す薬剤の開発が目覚ましい一方で,OPLLのような異所性骨化を負に制御する薬剤開発は進んでいない. 本研究では,骨形成の細胞内情報伝達経路の一つであるmTOR (mammalian target of rapamycin)経路にその可能性を見出し,MC3T3-E1やATDC5といった骨化および軟骨内骨化をそれぞれ誘導できる細胞株およびOPLL患者由来の後縦靭帯細胞を用いて,mTOR経路の特異的阻害剤であるrapamycin等またはsiRNAによるmTOR経路を阻害するといった分子生物学的手法を用いて詳細に検討し,同疾患の保存治療薬開発の礎となる研究を行うことを目的とし研究を行った. 当該年度は,MC3T3-E1およびATDC5細胞を用い,rapamycinによる細胞増殖,ならびに骨および軟骨分化に対する効果を検討した.Rapamycinは,MC3T3-E1細胞およびATDC細胞の細胞増殖を強力に抑止した.また,骨分化マーカーおよび軟骨分化マーカーの遺伝子発現も強力に抑制した.同時に,OPLL患者および非OPLL患者由来後縦靭帯細胞の培養も開始した. 今後,OPLL患者および非OPLL患者由来後縦靭帯細胞を用い,MC3T3-E1およびATDC5で得られた結果を検証し,後縦靭帯骨化症の国家制御に繋がる研究を継続して行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
OPLLおよび非OPLL患者由来後縦靭帯細胞の増殖活性が低く,実験に必要な細胞数を獲得するのに当初の予定よりも時間を要しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
OPLLおよび非OPLL患者由来後縦靭帯細胞の準備が遅れているが,必要数が得られつつある. 引き続き,それぞれの細胞数を増やし,MC3T3-E1およびATDC5で得られてた研究成果を,OPLLおよび非OPLL患者由来後縦靭帯細胞で確認する予定である.
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Causes of Carryover |
OPLLおよび非OPLL患者由来後縦靭帯細胞の培養に難渋し,これらの細胞を用いた一連の実験が遅れたため,次年度使用額が生じた. 現在同細胞の準備が整いつつあり,研究計画に従い研究を遂行していくことが可能との目処がつき,積極的に研究を遂行することを計画している. これに伴い助成金も必要に応じ有効に使用する予定である.
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