2022 Fiscal Year Research-status Report
骨マクロファージと骨芽細胞の相互作用による骨代謝制御機構の分子基盤に関する研究
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22K09438
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
徳田 治彦 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 ジェロサイエンス研究センター, 部長 (10397325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 修 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90225417)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨芽細胞 / 骨マクロファージ / oncostatin M / TNF-α M-CSF |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マクロファージにより産生されるoncostatin Mなどのサイトカイン・ケモカインの骨芽細胞機能に及ぼす影響を詳細に解析し、骨マクロファージによる骨代謝・骨リモデリング制御機構、特に骨芽細胞との相互作用を解明するものである。本年度は、骨芽細胞におけるtumor necrosis factor-α(TNF-α)刺激により惹起されるmacrophage colony-stimulating factor (M-CSF)産生に対するoncostatin Mの作用について検討した。結果として① Oncostatin MはTNF-α刺激に対するM-CSF遊離およびmRNA発現を抑制すること② mTOR/p70 S6 kinase阻害剤であるrapamycinはTNF-α刺激に対するM-CSF遊離に何ら影響しないこと③ Oncostatin MはTNF-α刺激に対するAktおよびp44/p42 MAP kinaseのリン酸化を抑制するが、p70 S6 kinaseのリン酸化には何ら影響しないことが明らかとなった。以上より、骨芽細胞においてoncostatin Mは、tumor necrosis factor (TNF)-α刺激に対するmacrophage colony-stimulating factor (M-CSF)産生を抑制し、その作用点はp70 S6 kinaseではなくAktおよびp44/p42 mitogen-activated protein (MAP) kinaseの上流であることが強く示唆された。Oncostatin M受容体の活性化によりJAK/STAT経路が活性化されることはよく知られている。骨芽細胞においても、JAK2の活性化がTNF-αによるAktリン酸化を抑制的に制御することが知られており、今回の知見との関連が注目される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨芽細胞において、主に骨マクロファージに由来するoncostatin MがTNF-α刺激に対するM-CSF産生を抑制的に制御することを示した。M-CSFは単球系幹細胞から破骨細胞への分化誘導に必須のサイトカインであり、骨マクロファージと骨芽細胞の相互作用による骨リモデリング制御に係る機序の一つと考えられる。今回の結果から、oncostatin Mが骨リモデリング制御の重要因子と考えられ、さらに骨脆弱性骨折や骨折治癒遅延等の高齢期の代謝性骨疾患への新たな治療戦略となる可能性が考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
骨芽細胞において、骨リモデリング過程で機能している各種生理的活性物質刺激により惹起されるインターロイキン-6産生、osteoprotegerin産生および細胞遊走等の細胞機能に対するoncostatin Mの作用について、細胞内情報伝達経路との関連を含めて詳細に検討する。
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Research Products
(1 results)