2023 Fiscal Year Research-status Report
神経内分泌細胞分化前立腺癌における脂質代謝を介した増殖メカニズムの基礎的検討
Project/Area Number |
22K09493
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
関根 芳岳 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (00516370)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 前立腺癌 / 前立腺癌神経内分泌 / 脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
前立腺癌細胞株であるC4-2Bをエンザル タミド耐性とするため、エンザルタミドの量を徐々に増やしながら、C4-2Bの培養をおこなったが、エンザルタミド耐性となる10μmol/Lに、なかなか到達しなかった。そこで、C4-2Bをアンドロゲン除去環境で長期培養することで、神経内分泌細胞株化することも報告されており、こちらの方法での神経内分泌前立腺癌細胞株の樹立も開始したところ、アンドロゲン除去環境でも増殖が可能なC4-2b(C4-2b-LA)の細胞株を樹立できた。そこで、これまで当教室で樹立したアンドロゲン除去環境でも増殖が可能なLNCaP(LNCaP-LA)、神経内分泌前立腺癌細胞株であるNCI-H660ともに、神経内分泌細胞株のマーカーの一つであるBrn2の蛋白発現をウェスタンブロッティングにて評価したところ、NCI-H660では非常に高発現を認め、また、LNCaP-LAでもその発現を検出できたが、C4-2b-LAでは、その発現をほとんど認めかった。次に、Brn2の発現を認めた細胞株において、スタチンによる増殖抑制効果を評価したところ、ともにスタチン(simvastatin 10μM)による細胞増殖抑制効果を認めた。そこで、NCI-H660におけるスタチン投与前後の脂質代謝関連のmRNA変化を評価したところ、LDL受容体の発現は大きな変化は認めなかったが、ABCA1やABCG1の発現上昇、およびスタチンによる発現変化は認めなかったが、LDL受容体の分解促進効果のあるPCSK1の発現が、LNCaPと比較し、非常に多いことなどが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
神経内分泌前立腺癌細胞株の樹立に時間を要したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
NCI-H660のスタチン投与後の網羅的な遺伝子発現解析などを行っていく予定である。
|
Causes of Carryover |
実験が遅れており、研究費の余剰が再度生じたが、次年度の実験で使用予定である。
|