2023 Fiscal Year Research-status Report
DNAヘリカーゼを標的としたPARP阻害剤抵抗性卵巣癌に対する新規治療法の開発
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22K09552
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
吉田 裕之 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (20423890)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 卵巣癌 / PARP阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
PARP阻害剤は卵巣癌に対する有効性が高く、本疾患の治療に大きな変革をもたらした。しかしながら、近年PARP阻害剤抵抗性が卵巣癌治療において大きな問題となっており、その克服が望まれているものの、未だ有効な解決策は見出されていない。DNAヘリカーゼのRECQL1はゲノム安定性に関わる様々な機能を持つが、PARP阻害剤抵抗性に関わる複数の機序にも関与していると報告されており、抵抗性克服に向けた有望な標的因子であると考えられる。そこで本研究では、卵巣癌におけるPARP阻害剤抵抗性とRECQL1との関連について明らかとし、RECQL1制御によるPARP阻害剤抵抗性克服を目指した新規治療法の確立を試みる。 令和5年度はPARP阻害剤を投与された卵巣癌患者の症例集積をさらに進めた。年々PARP阻害剤を投与される患者が増加しており、検討に必要な症例数を十分に集積することができた。得られた卵巣癌患者の組織標本及び臨床情報を用い、卵巣癌組織におけるRECQL1発現とPARP阻害剤抵抗性との関連について引き続き評価を進めている。また、上記検討と並行してRECQL1とPARP阻害剤抵抗性との関連についての検討を、複数の卵巣癌細胞株(漿液性腺癌、明細胞腺癌細胞株)を用いて実施している。当初の予定よりもやや遅れが生じているが、概ね計画に沿って研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定よりもPARP阻害剤を投与された卵巣癌患者の症例集積に時間を要し、その結果研究全体に遅れが生じたたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続きPARP阻害剤抵抗性とRECQL1との関連について、卵巣癌患者の組織標本および卵巣癌細胞株を用いて検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
予定症例数に達するまで予想以上に時間を要したため研究計画全体に遅延が生じた。そのため、研究費の一部は次年度に繰り越して使用することとなった。 繰り越された研究費は、当初の研究計画に従って令和5年度に購入予定であった試薬等の購入に充てる。
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