2023 Fiscal Year Research-status Report
胎児発育不全治療薬のタダラフィルが胎児新生児循環に与える影響の解析
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22K09617
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
池田 智明 三重大学, 医学部附属病院, 病院長 (80202894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 博明 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (30727996)
田中 佳世 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (60812310)
真木 晋太郎 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (90794371)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 胎児発育不全 / ホスホジエステラーゼ5阻害薬 / 新生児肺高血圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮内で胎児の成長が停滞する虚血性胎児発育不全(ischemic fetal growth restriction,iFGR)に対する新規治療法としてホスホジエステラーゼ5阻害薬の母体投与が近年,注目されている.われわれはその一つであるタダラフィルを採用して,iFGRに対する有効性と安全性を探索的臨床試験(第Ⅱa相)で確認している.しかし,シルデナフィルを用いた先行研究では,出生後の新生児に肺高血圧に関連した死亡例が増加したため,タダラフィルの胎児・新生児に対する安全性を改めて確認する必要に迫られている.そこで,本研究では,ラットiFGRモデルを用いた動物実験で,タダラフィルとシルデナフィルが胎仔・新生仔の肺血管に及ぼす影響を解析して,その相違点を明らかにする.本研究は検証的臨床試験(第Ⅱb相)を安全に継続するための橋渡し的基礎研究に位置づけられる.昨年度の検討では,シルデナフィルを投与された母獣より出生した仔で,肺血管平滑筋が肥厚する傾向であったのに対して,タダラフィルを投与された母獣より出生した仔で,肺血管平滑筋の肥厚を認めなかった.本年度は,タダラフィルとシルデナフィルが仔の肺血管に及ぼす影響の違いをさらに明らかにすべく,仔数を増やし,昨年度と同様に比較・検討を行う予定であったが,剖検と各臓器の切り出しまでにとどまった.今後,切り出した各臓器の組織切片標本を作成し,肺血管平滑筋の肥厚の有無を中心に,各群間での比較・検討を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
切り出した各臓器の組織切片標本の作成と解析ができなかったため
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては,切り出した各臓器の組織切片標本を作成し,肺血管の平滑筋肥厚の有無を中心に各群間での比較・検討を行う.
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Causes of Carryover |
本年度は,切り出した各臓器の組織切片標本の作成と解析まで実施できなかったため,次年度使用額が生じた。次年度は、実施できなかった標本の作成と解析に使用する予定である。
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