2022 Fiscal Year Research-status Report
新規頭頸部癌免疫療法開発に向けた胎盤形成分子PEG10の発現・機能・癌抗原性解析
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22K09659
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
小松田 浩樹 旭川医科大学, 医学部, 助教 (10912206)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / PEG10 / 癌免疫 / ペプチドワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
咽頭癌や口腔癌細胞株においてPEG10が発現している事をウエスタンブロットを用いて確認した。また、頭頸部癌患者組織を用いて免疫組織化学染色を行い、PEG10の発現を確認した。病期やウイルス性発癌との相関は認めなかったが、リンパ節転移とPEG10発現に相関を認めた。また、PEG10高発現群は有意に疾患特異的生存率が低い事を発見した。以上からPEG10は頭頸部癌の免疫療法の標的となり得ると考えられる。 次に、PEG10アミノ酸配列からMHCクラスⅡ分子に結合可能なエピトープをアルゴリズム解析を用いて同定し、ペプチドを合成した。このペプチドで刺激を行う事により健常人末梢血単核球からPEG10ペプチド特異的なCD4陽性T細胞を樹立した。樹立したT細胞はMHC拘束的にPEG10陽性頭頸部癌細胞株を認識しインターフェロンを産生する事を確認した。樹立したT細胞は腫瘍を直接認識し障害活性を持つ事も発見した。 siRNAやCRISPR-Cas9を用いたPEG10のノックダウン・ノックアウト細胞株を現在作成しており、PEG10の発現低下による細胞株の増殖・浸潤・遊走能の評価を今後行っていく予定である。また、ノックアウト細胞株を樹立し免疫不全マウスを用いた異種移植モデルでもPEG10の増殖能について評価を行っていく。 以上のように、研究実施計画と比較しより早いペースで研究計画を完了している。遺伝子発現の網羅的な解析などを追加し質の高い研究となるよう今後も計画に改良を加えていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画を同時並行で進めているため
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Strategy for Future Research Activity |
siRNAやCRISPR-Cas9を用いたPEG10のノックダウン・ノックアウト細胞株を現在作成しており、PEG10の発現低下による細胞株の増殖・浸潤・遊走能の評価を今後行っていく予定である。また、ノックアウト細胞株を樹立し免疫不全マウスを用いた異種移植モデルでもPEG10の増殖能について評価を行っていく。 遺伝子発現の網羅的な解析などを追加し質の高い研究となるよう今後も計画に改良を加えていく。
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Causes of Carryover |
使用額の低い予備実験からスタートしたため。次年度から網羅的な解析を含め使用していく予定である。
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