2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the effect and mechanism of constant compression stimulation on human lymphatic endothelial cells
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22K09870
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
高田 弘弥 日本医科大学, 医学部, 教授 (30824833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 道博 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部, 研究員 (80221787)
古家 喜四夫 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 研究員 (40132740)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メカノバイオロジー / 定圧刺激 / リンパ管形成 / リンパ浮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
微小重力環境では、動物とヒトの骨格筋の量や機能、あるいは骨のカルシウムの代謝が低下し、培養筋細胞の分化も抑制されることが実験的に証明されている。即ち、荷重や重力などのメカニカルストレスは、筋肉や骨をはじめ臓器内細胞環境の維持に不可欠な物理的刺激であることが明らかになってきた。 細胞はアピカル位(頂上面)に対する適切な定圧刺激によって生理機能が修飾され、場合によっては細胞の運命が制御される可能性があるとの仮説から、リンパ管に対する定圧刺激は、筋ポンプによるリンパ還流機能の活性化として作用するだけでなく、リンパ管新生にも寄与すると推察した。 そこで、荷重に伴うリンパ管内皮細胞(HDLEC)の細胞形態の変化が細胞分化・増殖にどのような影響を与えるか、また、その細胞の微小変形時の細胞応答のリアルタイムイメージングを第一に検討している。即ち、細胞頂上面からの定圧刺激による細胞変形量と応答を視覚的に解析である。 ①培養した HDLEC 細胞に定圧刺激を負荷し、タイムラプス撮影顕微鏡を用いて細胞運動や形態変化を観察した。その結果、細胞が接着しネットワーク形成がみられた。②定圧刺激による細胞変形イメージングを共焦点レーザ顕微鏡で観察したところ、細胞内に空胞が認められ、管腔形成をし始めている可能性が示唆された。 さらに、標識した細胞などを用いて定圧刺激によるリンパ管新生の制御メカニズムを解明し、動物モデルも導入してリンパ浮腫改善に向けた新しい治療戦略の科学的根拠を導くことを目標とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該年度の実験は、当初の計画通り進んだ。 リンパ浮腫動物実験モデルも検討し、リンパ浮腫を抑制・改善するメカニズムからも考察ができている。動物実験モデルは3年目に行う予定であったが、現象を事前に確認するため、前倒しで実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、定圧刺激による細胞変形イメージングの再現性をとりながら、細胞の微小環境の変化、すなわち定圧刺激によって誘起される細胞内 Ca2+濃度変化や細胞外 K+放出などをリアルタイムイメージング解析する。 機械刺激依存性形態変化および細胞内 Ca2+変化に対する薬理学的阻害剤を用いて、メカニズムを考察する。
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Causes of Carryover |
研究分担者指導による培養細胞実験が、撮影機器の不調で一部延期となったため。 機器は無償修理中で、改善する見込みがある。
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