2023 Fiscal Year Research-status Report
ABCC11遺伝子1塩基多形に基づく腋窩環境が及ぼす細菌叢と臭気強度に関する研究
Project/Area Number |
22K09871
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
桑原 大彰 日本医科大学, 医学部, 准教授 (30614820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保村 憲 日本医科大学, 医学部, 助教 (40832358)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ABCC11遺伝子 / 腋臭症 |
Outline of Annual Research Achievements |
腋臭症の患者から採取した一般採血検体よりABCC11遺伝子SNP(c.538G<A,p.G180R)をTaqManPCRで解析することで(1)治療開始前に自己臭恐怖症の鑑別を一様に行える方法の確立と、(2)本邦の有病率を中心とした疫学調査(3)患者の腋窩細菌叢がどのように腋臭増悪に影響するかを科学的に証明するため、腋窩の菌叢と腋窩環境の解析を行うことを目的とし、延いては非侵襲的治療法の開発を期待して本研究を立案した。 本研究開始2年現在では、研究に参加したすべての患者さんの術前採血検体を用いてABCC11遺伝子の検査を行い、約200例の検体を集積することができた。また、腋窩の細菌叢解析のために手術で採取された擦過培養および組織培養からは同様に200例ほどの検体を集積することができた。2023年度形成外科基礎学術集会、2023年度日本美容外科学会総会などの学会報告、雑誌発汗学への寄稿などを行なっておりこれら実績や集積したサンプルをもとに研究を継続し最終年度を迎えた。得られたデータからは、本邦におけるABCC11遺伝子SNP保有者が想定より腋臭患者で少なかったこと、組織培養ではベータラクタマーゼ産生菌が腋臭症患者で多いこと、他腋窩疾患とくに原発性腋窩多汗症の有無は腋臭の程度に強く関与していることなどが新規に判明しており、これら新たな知見を併せて本邦におけるABCC11遺伝子のSNP有病率など疫学調査および細菌叢が与える影響につき今後英文原著論文を作成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究申請時、年間100症例/2施設を見込む旨記載しているため、全く同程度のサンプルを集積できているため
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Strategy for Future Research Activity |
症例の集積、データ解析を行い、2024年度形成外科基礎学術集会への報告と質疑をもって英文学術誌への投稿を考えている。
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Causes of Carryover |
英文原著論文を作成するには不足する金額が最終年度に計上されており、また研究は計画通り進み本年で使用予定であった試薬など必要物品は足りていたため、この差額を前述の論文作成費に充当したいため
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