2024 Fiscal Year Research-status Report
Elucidating new mechanism of brain barrier-synaptic disruptions caused by P. gingivitis
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22K09927
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| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武 洲 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (10420598)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | 口腔感染学 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではp.gingivalis(P.g)菌によるシナプス障害について検討を行い、歯周病がアルツハイマー病発病の発端となる新たな分子機序を明らかにすることを目的としている。令和6年度は、低濃度アミロイドβ(Aβ)環境において、P.g菌LPSがシナプス障害を誘発するかについて解析を行った。具体的にはN2aニューロンならびにMG6ミクログリアに、P.g菌LPS(0.1 μg/mL)、可溶性Aβ42(0.1 μM)、またはその両者を組み合わせたAL(P.g菌LPS 0.1 μg/mLと可溶性Aβ42 0.1 μM)を投与した。解析した結果、培養したN2aニューロンでは、Aβ42、P.g菌LPSおよびALの添加は、シナプス関連遺伝子であるシナプシン1(SYN1)およびポストシナプス密度タンパク質95(PSD-95)のmRNA発現には影響を与えなかった。驚いたことに、AL投与後のMG6ミクログリアの培養上清(AL-MCM)を用いた処理では、SYN1、PSD-95のmRNAおよびタンパク質発現、さらに抑制性転写因子RESTの核内移行が有意に低下した。一方、TNF受容体I型(48時間後)およびグリコーゲン合成酵素キナーゼ(GSK3β)(24時間後)のmRNA発現は有意に増加した。GSK3βの特異的阻害剤であるTWS119(5 μM)の前処理により、AL-MCMによって引き起こされたSYN1、PSD-95のmRNAの発現低下やRESTの核内移行が有意に抑制された。 APPNL-F/NL-Fマウスにおいて、大脳皮質ニューロン中のSYN1、PSD-95の免疫蛍光強度は記憶力と正の相関を示し、TNF-α陽性ミクログリアとは負の相関を示した。これらの結果から、P.g菌LPSが低濃度Aβ42環境において、ミクログリア活性化を介して、ニューロンGSK3β依存的なシナプス障害を誘導することが示された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
N2aニューロンにおけるシナプス関連因子の発現はAβ42、P.g菌LPSおよびALより直接的な影響を受けなかった。一方、ミクログリアにおいてTNF-α、IL-1β、およびIL-6のmRNA発現がP.g菌LPSおよびALにより誘導されたため、P.g菌LPSおよびAL刺激したミクログリアのシナプスに与える影響を調べる方向に転換し、結果をまとめた論文を投稿した。論文公表オープンアクセスに関する支払いが研究最終年度内に執行できなかったため、研究期間を延長した。
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| Strategy for Future Research Activity |
前度にはP.gLPS 暴露した主な脳バリアの血液脳関門を担う脳血管内皮細胞(BECs)に、SASP 関連遺伝子発現増加を見出した。今年度はBECsに着目し、P.gLPSによるBECsの老化とその誘導メカニズムについて解析を行う。
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| Causes of Carryover |
予算の調整で差額が生じたが、年度内での執行が間に合わなかった。 次年度、物品費として速やかに使用する予定である。
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