2023 Fiscal Year Research-status Report
ラティス構造の人工骨により自家骨移植なしで挑むハイブリッド型顎骨再建法の開発
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22K10132
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
山田 浩之 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (90267542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川井 忠 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (50547263)
小野寺 慧 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (60788743) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 下顎骨再建 / チタン合金 / ラティス構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はチタン製金属試験片の強度試験を行った。数値材料試験を有限要素法ソフトによる工学的応用の多いラティス構造28種類の仮想的な強度を比較検討した。なお、構造特性的に対照的な構造を選択し、構造上の強度の偏りが生じないよう構造特性の異なる3種類のラティス(body diagonals with nodes[MSG]、G_structure10、Dode-Medium[MSG] )のチタン製試験片構造を選定した。続けて、先行試験より選択した構造体の現実的な材料物性を比較すべく、圧縮試験にて得られた応力-ひずみ曲線と曲げ試験にて得られた荷重-変位曲線からの強度的評価を行った。さらに、臨床応用に向けたヒトでの人工骨の使用を想定すると、人工骨の耐久性も非常に重要な課題であることから、選択した最適化形状(ラティス構造)が臨床応用に耐えうるか否か、疲労的評価を行った。結果として、ラティスの構造の特性から局所的な応力集中や非均一な応力分布を示す可能性が高かったが、内部応力と変形との比較をしたところ相対密度との相関性と各々の構造との有意差を認めた。また、ラティスは複数のセルが組み合わさり構成されるため、相対密度と相関して剛性や耐久性が大きくなる傾向を示した。本研究により、使用されるラティスの形状、セルサイズ、材料の特性など、複数の要因がその強度や耐久性に影響を与えることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人工下顎骨の具備すべき3条件として、皮質骨に類似する弾力(ヤング率)、最大咬合力に耐えられる強度、繰り返される咀嚼運動に耐える疲労強度を設定した。併せて、構造体を構成するラティスの検索を行い、28構造を試験評価候補とした。それぞれに対して有限要素法解析ソフト「ANSYS」を用いたコンピュータシミュレーションを実施し、構造特性の異なるラティスのチタン製試験片構造を選定した。選定と並行し、試験条件の検討・試験片評価法についての検索を有限要素法解析ソフト「ANSYS」を用いたコンピュータシミュレーションを用いて行った。さらに圧縮試験にて得られた応力-ひずみ曲線と曲げ試験にて得られた荷重-変位曲線からの強度的評価を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、チタン製人工下顎骨と骨補填剤料を用いた動物実験で骨新生能や生体適合性を評価する。2023年度までチタン製人工下顎骨の構造に関する強度試験を行ってきた。この結果を踏まえて選択したにラティス構造を採用した試験片を動物実験に用いる予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度のコンピューターシミュレーションは順調に進行し、実在するチタン合金による3次元モデルを用いた実験を効率的に行うことができたため次年度使用額が生じた。2024年度は速やかに造形物の作製を行い、試験片として動物実験に用いる予定である。2023年度に使用すべき予算は2024年度分と合わせて使用できる計画である。
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