2023 Fiscal Year Research-status Report
インクレチンホルモンによるGLUT4小胞輸送促進作用における分子生物学的解析
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22K10149
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長野 公喜 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (60737089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 悟郎 九州大学, 歯学研究院, 助教 (00722828)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | インクレチン / GLUT4 / インスリン |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは、脂肪細胞や筋細胞において、開口分泌調節タンパク質 tomosyn がインスリン依存性の糖取り込みを調節することを遺伝子組み換え技術を用いながら示してきた。一方、これらの細胞への糖取り込みはインクレチンホルモンの一つである GIP によって直接促進されることが近年明らかにされてきたが、詳細な分子機序については不明のままである。本研究では GIP による糖取り込み促進作用における tomosyn の 関与を明らかにし、その分子メカニズムを解明する。これにより、糖尿病治療の新たな創薬ターゲットと成り得る候補分子の発見につながり、今後の糖尿病研究に影響を与えると考えられる。 2023年度までに GIP による tomosyn S760 のリン酸化の影響を調べた。脂肪細胞や筋管細胞内で GIP 刺激に対する tomosyn のリン酸化の有無を確認した。次に脂肪細胞に分化させた 3T3-L1 細胞あるいは筋管細胞に分化させた C2C12 細胞に FLAG タグを付加した tomosyn 野生体、S760をアラニンに置換しリン酸化できないように組み換えた変異体 (S760A) をそれぞれ遺伝子導入し、32Pラベルされた ATP を取り込ませ、GIP 刺激した後に抗 FLAG 抗体によって tomosyn を免疫沈降し、その放射活性をオートラジオクラフィーで比較、定量した。遺伝子導入方法は、 これまでに実験実績のある、リポフェクションによって遺伝子を一過性に強制発現させる手法を用いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の目標であった GIP による GLUT4 小胞輸送過程において tomosyn が及ぼす影響を調べた。脂肪細胞に分化させた 3T3-L1 や筋管細胞に分化させ た C2C12 に siRNA によって tomosyn をノックダウンし、GIP 刺激による GLUT4 小胞輸送の程度を陰性対象と比較し検討した。GLUT4 の細胞膜への挿入程度を定量するためにリングアッセイを用いて比較、定量した。従って計画は順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
インスリンシグナル経路と GIP シグナル経路がクロストークしている可能性も考えられる。そこで、上述の細胞実験系内で、インスリン依存的 GLUT4 小胞輸送のキーレギュレー ターである Akt の阻害薬で前処理を行なった後、GIP 刺激を行い陰性対象と比較し検討する。
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Causes of Carryover |
当初の計画よりも順調に進んでいるため、試薬や細胞培養液など使用する消耗品等の節約につながった。 (使用計画) 実験を遂行するための各試薬や器具類等は初年度と同程度必要になるため、この購入費に充てる。また得られた成果を学会および論文として発表するための旅費 および出版費として使用する。
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