2023 Fiscal Year Research-status Report
認知症への静脈内鎮静法の安全性の検証と新規歯科治療ストレス軽減法の開発
Project/Area Number |
22K10207
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
河原 博 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10186124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 幸江 久留米大学, 医学部, 准教授 (10279135)
河端 和音 鶴見大学, 歯学部, 助教 (10908156)
山田 麻記子 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (20556526)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 作業記憶 / C57BL/6Jマウス / Y字迷路 |
Outline of Annual Research Achievements |
C57BL/6Jマウスを用いて90分間のセボフルランの作業記憶への影響を、Y字型迷路を用いた空間作業記憶試験を行って検討した。その結果、吸入1日後から吸入後20週間まで、若年マウスと同様に高齢マウスでもセボフルランが空間作業記憶に影響しないことを確認した。 次に、C57BL/6Jマウスを用いて、認知・認識に関与する脳内ネットワークとして、大脳皮質内側前頭前野、大脳皮質感覚野、扁桃体中心核の神経活動をマイクロダイアリシスにより検討を行った。セボフルラン全身麻酔下にマイクロダイアリシスプローブを大脳皮質内側前頭前野、大脳皮質感覚野、扁桃体中心核に挿入・固定した。 セボフルラン全身麻酔覚醒後、無麻酔・無拘束・自由行動状態のマウスにストレスを負荷した際の脳内ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニン神経活動を検討した。マウスに負荷するストレスは、従来の多くの研究で用いられてきた再現性と信頼性の高いストレスであるHandling stressを用い、脳内ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニン神経活動からその再現性を確認し、ミダゾラム、デクスメデトミジン、新規ストレス軽減候補薬として CRF1受容体選択的拮抗薬の作用を検討した。 その結果、大脳皮質内側前頭前野、大脳皮質感覚野、扁桃体中心核のセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン神経活動が、Handling stress中に亢進した。ミダゾラム、CRF1受容体拮抗薬はその亢進を抑制する傾向にあるのを観察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
作業記憶試験に関する研究では一定の研究実績を得たが、マイクロダイアリシスを用いた研究に関しては、統計処理による比較検討を行うまでの個体数に達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロダイアリシスを用いた研究を進捗させ統計処理による比較検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究試薬、マイクロダイアリシス用のカニューラシーベル等が当初予定より安価に購入できたため次年度使用額が生じた。翌年度として請求した助成金と合わせて高速液体クロマトグラフィー用カラムなどの物品購入費に充てる。
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