2022 Fiscal Year Research-status Report
口腔細菌叢のオミクス解析による口腔癌発症機序の解明とリスク診断の構築
Project/Area Number |
22K10224
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
後藤 雄一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00637902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 昌明 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00347113)
大塚 隆生 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20372766)
杉浦 剛 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (40322292)
比地岡 浩志 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (70305150)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マルチオミクス解析 / 大腸がん / 口腔粘膜疾患 / OPMDs |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔内における粘膜疾患に対するマイクロバイオームの関わりは過去より多くの報告がなされてきた。特に細菌叢においてはその種やその種に関わる分子メカニズムの一端もわかりつつある。しかし真菌叢であったり、細菌叢と真菌叢の関わり、またはその代謝産物の関わりについては網羅的解析がなされてこなかった。今回われわれは口腔癌に代表される難治性粘膜疾患特に口腔潜在的悪性疾患(oral potentially malignant disorders;OPMDs)を対象としマルチオミクスな解析を行うことで口腔粘膜疾患におけるマイクロバイオームの関与を網羅的に解析することを目的としている。 当該年度は研究開始にあたり新規に倫理申請を行うとともに、メタボロミクス解析に必要なGC・GC/MS解析手段の検討を行った。細菌叢と真菌叢を同一検体で確認した報告はごくわずかであり、まずは前研究内容である大腸がん患者における検体から、細菌叢、真菌叢のネットワーク解析が可能か探索を行った。その結果、大腸がん患者においても、真菌は口腔や皮膚に常在する真菌が次世代シーケンスによる解析で同定され、がん患者ほどCandida albicansに代表されるCandida属を中心に相対存在量の増加を認めた。一方健常者の唾液では多いAspergillus属は大腸がん患者群の唾液ではその相対存在量が低く検出され、興味深い知見を得た。今後これらの知見をもとに口腔内粘膜疾患におけるマルチオミクス解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理承認までの時間が必要となり、新規の検体採取をスタートする予定である。 新規検体採取までの期間はすでにある別疾患の検体群を用いて細菌叢と真菌叢のネットワークについて解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔粘膜疾患、特に口腔潜在的悪性疾患(oral potentially malignant disorders;OPMDs)を中心に検体採取を行い、ゲノミクス、プロテオミクス、メタボロミクスの関連を探索する。解析費用に限りがあるため、いずれのオミクスについても網羅的解析を群間で解析し候補を絞り詳細な解析に用いる予定である。
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Causes of Carryover |
ほぼ計画通りの執行となったが、コロナウイルス感染拡大の影響を受け、国内外の学会出張がほぼできず次年度への使用計画となった。
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Research Products
(2 results)