2023 Fiscal Year Research-status Report
生活歯髄切断材料に対する抗酸化アミノ酸の応用~強アルカリによる歯髄刺激からの脱却
Project/Area Number |
22K10259
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 光一 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (50580932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 薫明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (40374566)
八若 保孝 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (60230603)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 生活歯髄切断 / NAC / MTA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はMTAセメントをベースとして、NAC(N-アセチルシステイン)を利用し、細胞刺激性が弱く、石灰化誘導作用を有するセメントの開発を目標とした。 ラットの生活歯髄切断(生切)後に、HE染色、免疫組織染色を行なった。MTAセメント(MTA)ならびにMTAセメントにNACを配合したもの(MTA-NAC)で覆髄した。上部はスーパーボンドで封鎖した。コントロールはスーパーボンドで直接封鎖した。生切3日後、7日後にラット臼歯を摘出し、組織を脱灰、固定し、薄切切片を作製し、各染色を行なった。生切3日後のHE染色の結果、コントロールでは根管上部に炎症性細胞の浸潤が認められた。MTAでは歯髄切断面直下に炎症性細胞浸潤が認められ、MTA-NACでは同部位に軽度の炎症性細胞浸潤が認められた。DSPP染色の結果、コントロールとMTAではDSPP陽性部位は認められなかった。一方でMTA-NACでは歯髄切断面直下にDSPP陽性部位が認められた。Osteopontin染色の結果、コントロールではOsteopontin陽性部位は認められなかった。MTAでは歯髄切断面直下にOsteopontin陽性部位が認められ、MTA-NACでは根管上部にOsteopontin陽性部位が認められた。7日後のHE染色の結果、コントロールでは根管上部に炎症性細胞浸潤が認められた。MTAとMTA-NACでは歯髄切断面直下に軽度の炎症性細胞浸潤が認められた。DSPP染色の結果、コントロールではDSPP陽性部位は全く認められなかった。MTAでは歯髄切断面直下にDSPP陽性部位を認めた。MTA-NACは広範囲でDSPP陽性部位を認めた。Osteopontin染色の結果、コントロールでは歯髄切断面直下にOsteopontin陽性部位が認められた。MTAとMTA-NACでは根管上部にOsteopontin陽性部位が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
予定していたラットに対する生切は全て完了し、研究成果を学会発表した。in vitroの実験も実施中である。最終年度は論文投稿が主となる。
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Strategy for Future Research Activity |
予定していた研究はほぼ完了した。invitroの研究を行いながら、最終年度は論文投稿を行う。
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Causes of Carryover |
昨年度、in vitro研究を進めるために前倒し支払い請求をしたが、消耗品などの使用が予定よりも少なかったために次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した助成金と合わせて、in vitro研究並びに学会発表、論文発表の費用として使用する。
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Research Products
(1 results)