2022 Fiscal Year Research-status Report
処方カスケードによる医療費増大の可視化 -カルシウム拮抗薬とループ利尿剤を例に-
Project/Area Number |
22K10375
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
今井 志乃ぶ 昭和大学, 薬学部, 教授 (50608750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 隆全 名城大学, 薬学部, 助教 (60826923)
近藤 悠希 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 准教授 (90721879)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 処方カスケード / ポリファーマシー / ビッグデータ / レセプト |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年の厚生労働白書によると、2040年には、現役世代の急減と高齢者人口のピークが同時に訪れると推計されている。高血圧の有病率は加齢とともに上昇するが、我が国において就労中の世代でも高い値を示している。持続可能かつ質の高い保健医療を実現する一つの施策として、ポリファーマシーの源流である処方カスケードの発生防止を現役世代に有病率の高い疾患で検討する必要がある。しかし、処方カスケードに関する報告は少なく、大規模なレセプトデータ等を活用した分析は皆無である。本研究ではジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬(DH-CCB)による下肢浮腫に対するループ利尿薬の処方を例に、日本における処方カスケードの発生実態を可視化し、その医療費に与える影響を明らかにすることを目的とした。 令和4年度では、研究デザインを固め、DeSC社のデータを入手し、デザインに従ったデータセットを作成した。データセットの作成には、医薬品、疾患、診療行為のマスタの整備、データセットの定義書を含む。また、機材を工夫し、プログラミングの環境を構築した。プログラミングには、名城大学と昭和大学のダブルコーディングを標準とした。 DeSC社提供の4,328,134症例から、適格基準に従って、352,666症例が抽出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的を達成するための計画は、順調に進んでおり、R4年度は遅れはない。しかし、研究Bの評価項目である処方カスケードの発生に伴う医療費増大に関しては、DeSC社のデータでは、医療費の情報が得られず、JMDC社、MDV社、国立病院機構のデータ等から検討し、他のデータソースを必要とすることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、「日本における処方カスケードの発生実態を可視化し、その医療費に与える影響を明らかにする。」ことを目的としている。研究は2系統にわたり、研究Aの評価項目はループ利尿薬の処方の発生(イベント)であり、DeSC社のデータを入手し、既に分析が進んでいる。R5年度は、データセットの統計解析を行い、9月の社会薬学会で報告予定である。 一方、研究Bの評価項目である処方カスケードの発生に伴う医療費増大に関しては、DeSC社のデータでは、医療費の情報が得られず、JMDC社、MDV社、国立病院機構のデータ等から検討し、他のデータソースを必要とすることとなった。国立病院機構のデータを用いるに際し、入院医療費のデータであり、医療費増大に関する研究がそのままのデザインで行えるか、また、予算から考えて、国立病院機構のデータセットの一部から副作用に関するデータを購入することとし、妥当性を検討することとなった。
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Causes of Carryover |
R5年度に研究計画を検証するための費用が生じ、次年度に使用額が生じた。 これは、研究Bの評価項目である処方カスケードの発生に伴う医療費増大に関しては、DeSC社のデータでは、医療費の情報が得られず、JMDC社、MDV社、国立病院機構のデータ等から検討し、他のデータソースを必要とすることとなった。国立病院機構のデータを用いるに際し、入院医療費のデータであり、医療費増大に関する研究がそのままのデザインで行えるか、また、予算から考えて、国立病院機構のデータセットの一部から副作用に関するデータを購入することとし、妥当性を検討することとなった。
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