2022 Fiscal Year Research-status Report
Development and Evaluation of Damage Control Resuscitation Training Curriculum for General Surgeons
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22K10408
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村上 壮一 北海道大学, 大学病院, 助教 (80706573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土佐 紀子 北海道大学, 医学研究院, 助教 (20312415)
方波見 謙一 北海道大学, 大学病院, 助教 (20528856)
倉島 庸 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (40374350)
平野 聡 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50322813)
本間 宙 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (60307353)
七戸 俊明 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (70374353)
伊澤 祥光 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90565699)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 外傷手術 / ダメージコントロール手術 / シミュレーショントレーニング / 外科教育 / 新規シミュレーター開発 / ポータブルシミュレーター |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、『一般外科医のための外傷診療DCRトレーニングコース』試行、および、ボランティア外科医の募集と外傷診療データ集積の開始を目標としており、特に後者については、北海道内の救命救急センター12病院とこれに準ずる5病院、救命救急センターの設置地域で外傷を受け入れている23病院、救命救急センター設置のない地域で外傷を受け入れている20病院の3群に分け、それぞれ10病院より最低1名ずつを目標にボランティア外科医を募集する予定であった。しかしCOVID-19流行継続により各病院の業務量が増加したこと、またボランティア外科医のタスクである外傷診療トレーニングコース受講が病院の規定で禁止となった事から進められない状況であった。このため研究を前者に集中、大規模な集合研修が出来ない状況でも個別にトレーニングを行える教育プログラムの開発に絞り実施した。具体的には腹部のダメージコントロール手術に絞った教育プログラムを開発、これに適した持ち運び可能なシミュレーターを新規作成し、これをボランティア外科医の元に持参し教育を行う事で、プログラムの有用性を科学的に検証した。その有用性は際立っており、この研究結果は2023年4月13-16日に米国サンディアゴで開催されるAssociation for Surgical Education (ASE) 2023 Annual Meeting、および4月27-29日に東京で開催される日本外科学会定期学術集会のシンポジウムにおいて公表する予定である。またASEの演題がacceptされた時点でGlobal Surgical Education誌に掲載される事が決まっており、近日同誌で公表予定である。なお使用したシミュレーターについては現在特許申請中であり、その開発経緯は第14回日本Acute Care Surgery学会において公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定がCOVID-19流行にて現在縮小しての実施となっているが、これとは違う方向で、現在のCOVID-19流行時代に対応出来る外傷診療トレーニングプログラムの開発に成功し、その有用性を証明することが出来たという点、またその過程で特許申請を行えるレベルのシミュレーターを開発できたと言う点では、当初の計画以上に進展していると評価できる。但し2022年度は臨床アウトカムへの寄与を証明する為の準備を行う予定であったが、これについて実施する事が出来ず、この点については大幅に遅れる可能性が高く、また状況によってはこの実施が難しい可能性も出てきた。このため、臨床アウトカムについてはマスボリュームを調査する方法から、局所的なアウトカムの改善を測定する方法にシフトする方向に転換する必要があると思われる。この点のみ注目した場合には、「遅れている」と評価せざるを得ない。ただ前者の成果がかなり突出しているため、差し引きしても「当初の計画以上に進展している」と評価できると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年5月にCOVID-19が5類に移行するため、病院職員の移動制限、あるいは外部者の受け入れもある程度緩和されることが見込まれるため、当初の予定のうち臨床アウトカムを証明するための研究を1年数ヶ月遅れながら再開できる可能性があると考える。ただし今回のCOVID-19流行に対応出来る新たなトレーニングコースを開発しシミュレーターを作成、この有用性が証明できていることよりは、大規模なトレーニングコースの開発を継続し、実施の敢行を計画、COVID-19や他の感染症が再流行し中断するリスクを考慮すると、むしろ新規開発できたコースによる臨床アウトカムの変化を証明するよう方向転換した方が、より確実に研究を遂行できると考えている。但し大規模なトレーニングコースがより有用である可能性は高いことより、可能な限りは両者を平行して研究を続けて行きたい。また前項で述べたように、臨床アウトカムの測定についてはこの状況が継続するのであれば縮小せざるを得ず、マスボリュームレベルのものから局所のアウトカム改善を測定する方法にシフトする必要がある。具体的には実臨床における、トレーニング前後の外科医のパフォーマンス測定、症例レベルでのアウトカム測定等である。これについてはCOVID-19が5類に移行する2023年5月以降の状況を見ながら、再計画していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
COVID-19流行継続により当初予定していた大規模トレーニングコース開発を行う事が出来ず、これに代わるものとして、新規シミュレーター開発を行う事となった。これについてももともとは市販品の購入を考えていたが、研究に参加している大学院生が自作したため、費用を抑えることが出来た。なお当初この研究はメインではなかったが、こちらがメインになったため、本研究に関連する旅費などが高額となり、結果的には当初使用予定額に近づいた。今回の次年度繰越金は2022年度に予定していた大規模トレーニングコース開発の実施に使用する予定ではあるが、不足することが予想される事より、他の方法による研究費の追加獲得が必要となっており、対策している(クラウドファンディング実施により、解決の見込み)
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Research Products
(6 results)