2022 Fiscal Year Research-status Report
全国の産婦人科医師の過酷な労働環境に対する働き方改革の進捗と課題に関する実証研究
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22K10436
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石川 雅俊 筑波大学, 医学医療系, 客員准教授 (40739166)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 働き方改革 / 産婦人科 |
Outline of Annual Research Achievements |
「医師の働き方改革」は国内外における医療政策上の主要な課題の一つであり、本邦では2024年4月から適応される医師の時間外労働の時間規制に向けて、各医療機関で改革が進められている。医師の中でも産婦人科は過酷な労働環境にあり、産婦人科は働き方改革の必要性が高い診療科であるが、充分な検討が行われてこなかった。 本研究は、産婦人科医療に従事する全国の勤務医及び助産師を対象としたアンケート調査及び先進事例となる病院へのヒアリング等を通じて、産婦人科医師の働き方改革の進捗状況、産婦人科医師から業務を移管される側にある職種(助産師等)の意向、医療機能の集約化・重点化を進めた際の地域医療への影響と対策等について、学術的観点から研究を行い、学術論文及び政策提言をとりまとめる。 初年度となる2022年度は、先行研究の整理、アンケート調査の準備を行った。2023年度は、前年度の進捗を踏まえ、アンケート調査やインタビュー調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
産婦人科を標榜する全国の病院に勤務する産婦人科医師を対象として、医師の勤務実態に関するアンケート調査を行うとともに、先進的な取組を行っている病院にヒアリング調査を行い、産婦人科医師の働き方改革の進捗状況について評価する。 アンケート調査は、全国の産婦人科を標榜する病院を、民間企業が保有するデータベースから抽出し、抽出された全ての医療機関に対して、依頼票及び調査票を発送する。調査票は施設票と個人票からなり、施設票は、所在地、病床規模、診療体制、働き方改革の取組状況等から構成される。個人票は、働き方改革による医師の勤務実態の変化や、働き方に関する意向、働き方改革の医療の質への影響等から構成される。 回答が得られた施設における働き方改革の取組状況や医師の勤務実態の変化等について、記述するとともに、マルチレベル解析を用いて、病院の働き方改革の状況と、医師や施設、施設が所在する地域の特性等との関連をみることで、働き方改革の進んでいる病院と進んでいない病院の特徴や医師の労働時間の長期化因子等を、定量的に明らかにする。 加えて、産婦人科における医師の働き方改革について、先進的な取組をしている病院で、事前に同意が得られた病院10箇所程度に対して実地視察及びヒアリングを行い、具体的な取組内容や実施にあたり苦労したことやその解決策、他院で実施が難しい要因等について、とりまとめる。 更に、必要に応じて、先進諸国における産婦人科医師の働き方やタスク・シフティングの状況について、メール等でのやりとりを通じて有識者から情報収集を行い、日本の医療政策への示唆をとりまとめる。
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Causes of Carryover |
アンケート調査を行うための費用として計上していたが、2023年度に実施することとなったため、2023年度に使用する予定である
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