2023 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中患者のSCU・ICU等集中治療室入室のアウトカムと経済性
Project/Area Number |
22K10437
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
井上 貴裕 千葉大学, 医学部附属病院, 特任教授 (90868811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 真人 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (50444055)
桑原 比呂世 千葉大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70940170)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Stoke care unit(SCU) / Intensive care unit(ICU) / DPCdata |
Outline of Annual Research Achievements |
諸外国に比べ人口当たりのICUが少ない我が国において、集中治療室の有効活用は重要であり、医療政策における重要課題といえる。しかしながら、我が国では必ずしも重症ではない脳梗塞や脳出血等の脳卒中患者が集中治療室に入室することも多く、本来、ICU(Intensive Care Unit)ではなくSCU(Stroke CareUnit)で治療を行うべき患者が病床を占有しているという事実もある。我が国の脳卒中患者の緊急入院において、SCU入室の有効性について我々は過去の研究ですでに明らかにしているが、ICU等と比較した分析の報告は世界的にもほとんどない。本研究では保持する大規模医療データであるDPCデータを用いて、脳卒中患者(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)の入室場所(SCUあるいはICU等)の違いによる医療費を含めたアウトカムの違いについて、後ろ向き研究を行う。これにより集中治療室の有効利用につなげることを目的とする。さらに、SCUの設置に地域差がある要因についても検討を行い、その普及のための方策を提案する。 今年度は、急性脳梗塞で入院した患者について検討した。37465症例の急性脳梗塞で入院した患者のうち、SCUもしくはICUに入室した8683名について解析を行い、プレペンシティスコアマッチングで、重症度等の背景を揃えた上で予後を比較したところ、SCU群はICU群と比較して、院内死亡率に有意差がなく、有意に入院日数が低く、入院費用も少ない結果となった。これらの結果より、SCUにおける神経系専門チームによる的確な処置と、迅速なマネジメント、およびリハビリテーションをはじめとした早期の患者の離床・活動開始の促進による効果が推定された。また、地域差の要因についての検討を行った。今後は、脳出血やくも膜下出血など、他の疾患についても同様の検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳梗塞についてSCUとICUの比較検討を行った論文がBMC Neurologyに掲載された。「Effect of admission in the stroke care unit versus intensive care unit on in-hospital mortality in patients with acute ischemic stroke」 また、地域差についての論文もすでにアクセプトされている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は脳梗塞に加え、脳出血、くも膜下出血についてもデータベースの構築及び抽出を行い、統計解析を実施する予定である。脳出血とくも膜下出血ではもともと脳梗塞と比べ、予後が悪い傾向にあり、その中でもSCUがICUに比較して同等の有用性をもつかどうか、また特に有用となりうる患者群を選定するための層別解析について進めて行く。
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Causes of Carryover |
データベース構築の保守に使用予定
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Research Products
(1 results)