2022 Fiscal Year Research-status Report
A prospective study on work climate and help-seeking intentions for balancing medical treatment and job during the COVID-19 pandemic
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22K10536
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山内 貴史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (10598808)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 労働者 / 援助希求行動 / 治療と仕事の両立支援 / 新型コロナウイルス感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19流行下における労働者の援助希求行動について、文献を系統的に収集・分析することでその動向と今後の課題を把握した。2022年6月、PRISMA-ScRガイドラインに準拠して、文献データベースPubMed、APA PsycNetおよびCINAHLを用いたスコーピングレビューを実施した。検索語として、“workers” “employees” “personnel” “help-seeking” “seek help” “COVID-19” “coronavirus”を用いた。フルテキストを収集して適合性を評価し、医療従事者を対象とした9編の原著を最終分析対象とした。医療従事者においては、メンタル不調を報告する者が多い一方で、同業の医療従事者への援助希求行動は少なかった。介入研究の結果からは、医療従事者のためのオンラインツール・アプリなどの活用が援助希求意図を高める可能性がうかがえた。コロナ禍でのメンタルヘルス関連以外の援助希求行動、特に家族・友人などのインフォーマルな資源への援助希求行動の変化を把握することで、今後発生し得るパンデミックや公衆衛生上のクライシス下での援助希求行動の維持・促進のための知見が得られると考えられた。 上記の成果は、2023年度以降に計画している労働者を対象とした職場風土と援助希求行動(「治療と仕事の両立支援」の申し出)についての縦断調査を進めるうえで活用する。併行して、上記の成果を総説論文として国際誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
網羅的に文献を収集し得たのみならず、その成果を総説論文として国際誌に投稿することができた。今後2023年度以降の研究を予定通り進行する上での基盤を確立できたと考えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の国内の状況は計画立案時とは異なりつつあるが、本研究の主眼は援助希求行動としての治療と仕事の両立支援を促進・抑制し得る環境要因としての職場風土の影響を縦断調査により把握するものであるため、研究の遂行には支障のないものと考える。したがって、当初の計画に従って、2023年度以降の調査を遂行する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で学会出張が予定より少なかったこと、ならびに英文校正が総説論文のみであったことにより次年度使用額が生じた。次年度以降の縦断調査に要する調査業務委託費に充当させる。
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Research Products
(2 results)