2023 Fiscal Year Research-status Report
ユビキチンープロテアソーム経路による覚せい剤の依存形成の制御機構の解明
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22K10612
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
水尾 圭祐 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90459735)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | methamphetamine / TRUSS / 精神依存 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまずmethamphetemine依存の再燃モデルを作成し、再燃モデルにおけるTRUSSの変化について検討した。 CPP法を用い、methamphetamineの依存形成後、1週間後にもう一度methamphetamine (1mg/kg)を投与し、60分の条件付けを行った。その後、テストを行いmethamphetamineの依存を評価した結果、methamphetamine報酬効果の有意な再燃が確認された。これらの動物の脳内におけるTRUSSの変化をwestern blot 法にて検討した結果、methamphetamine依存形成時の側坐核におけるTRUSSの減少が維持されていた。このことより、側坐核における TRUSSの持続的な減少がmethamphetamine依存の再燃形成に一部関与していると考えられる。また、以前より我々が明らかにしてきたmiR-7020-5pとTRUSSの関連について検討するため、miR-7020-5pのアンチセンスをマウスの脳室内に投与し、TRUSSの変化について検討した。その結果、miR-7020-5pのアンチセンスの投与により側坐核においてTRUSSの有意な発現低下が認められた。このことよりTRUSS はmiR-7020-5pによってその発現が調節されていることが示唆された。本研究の結果、methamphetamine再燃形成時においても TRUSSは抑制的に発現調節を担っている可能性が明らかとなった。さらに、アルコール離脱後の脳内でのTRUSSの変化について検討したところ有意な増加が認められた。このことよりアルコールとmethamphetamineではTRUSSの発現調節が異なることがあきらかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Methamphetamineの再燃モデルの作成に時間を要したため
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、TRUSSの基質となるタンパク質の探索ならびにmethamphetamine依存形成における役割を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 物品費に少し余裕があったことおよび次年度の学会発表のための旅費にあてたかった。 (使用計画) 人件費と謝金については計画通り使用し、物品費、旅費、その他に前年度の残りを充当させる。
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