2022 Fiscal Year Research-status Report
オンライン教材「看護職の夜勤交代制・長時間勤務改善アクションクエスト」の開発
Project/Area Number |
22K10738
|
Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
奥 裕美 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (80439512)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 恵子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (40520771)
佐々木 菜名代 浜松医科大学, 医学部附属病院, 看護部長 (90816464)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 夜間勤務 / 長時間勤務 / 看護師 / 看護職 / 教育教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護職とその管理者に有益な交代制勤務や長時間労働がもたらす安全上のリスクとリスク軽減につながる戦略に関する知識を深めるオンライン学習教材(「看護師・看護管理者の夜勤・交代制勤務アクションクエスト」、以下「クエスト」)を作成し、教育効果の検証を行うことを目的として実施している。 2022年度(3年計画の1年目)は、クエストの開発に向けて、日本の状況についての文献検討、および、クエストガイドの作成を行った。 文献検討は国際的にも珍しい「16時間夜勤」に注目して実施した。はじめに諸外国(米国・英国・オーストラリア・カナダ・フランス)の国や地域が発行する看護職の交代制勤務に関するガイドラインを調査したところ、最長勤務時間は12時間、もしくは12.5時間と規定されていた。次に、看護職の交代制勤務と健康に関わる国内外の文献のうち、勤務時間の記載がある60文献を確認したところ、16時間夜勤の記載があるのは日本の状況についての論文のみであった。これらの結果から、改めて16時間夜勤は諸外国には見られない日本特有の勤務形態であることを確認した一方、その珍しい勤務形態が根付いているということの背景には、日本の看護職の働き方や生活のスタイルに合っている、ほかの働き方と比較したときにメリットがある、といった背景をより深く理解しなければ、変化させることは困難であると判断した。そこで、16時間夜勤の短縮を実現した医療機関の実践報告9件を分析し、その実装方略を明らかにした。 そして上記の結果を踏まえ、アクションクエストの全体像を示す「ガイド(アクションクエストガイド)」を作成した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アクションクエストの作成が遅れている。理由は2点ある。 1:オンライン教材で使える機能の検討を行ったため。受講者の利便性が高く、かつ、できるだけ能動的に受講できるような教材の形式を選定することに、時間がかかっている。 2:アクションクエストガイドを作成したため:オンライン教材だけでなく学習の準備性を高め、管理者が部下たちに内容を説明する際にも利用できるがクションクエストガイドを、教材の前に作成した。
|
Strategy for Future Research Activity |
アクションクエストを完成し、パイロットテストを実施する。さらに、クエストを利用した実態調査を実施する。 調査対象は、16時間夜勤の短縮を目指している医療機関1か所とし、アクションクエストを実装戦略の一つとして利用して、病院・病棟がどのように働き方を変えるのかに注目して調査を行う。具体的には看護職の働き方の変更を質改善活動としてとらえ、Proctor's Framework(2011)を活用したQI(Quality Improvement)アプローチを用いて実施する。 調査を予定している病院では、夜勤時間の変更に向けた取り組みを組織の改善活動としてすでに実施しており、職員教育という実装方略の一つとして本アクションクエストを利用してもらう。調査は病院看護部と本研究班でチームを組み、実装戦略、実装アウトカムを設定する。調査開始は研究機関、実施する病院の研究倫理審査通過後2023年秋ごろからを予定する。
|
Causes of Carryover |
アクションクエスト作成、および教材の保存のためのシステム構築のための資金について、教材の機能を検討し、2022年度には作成していないために次年度使用額が発生した。 2023年度に教材を作成するためにこの資金を使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)