2022 Fiscal Year Research-status Report
午睡 (Nap time) 導入による睡眠覚醒サイクル改善とせん妄予防効果の検証
Project/Area Number |
22K10813
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
松裏 豊 三重大学, 医学系研究科, 講師 (30840897)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 睡眠 / サーカディアンリズム / クリティカルケア / Nap time |
Outline of Annual Research Achievements |
せん妄は集中治療室(ICU)入室患者の20~50%に発生し、死亡率の上昇、ICU滞在期間の延長、医療費の増加などに関連している。そのためせん妄の発生を予防することはクリティカルケア領域において非常に重要な課題である。せん妄発生のリスク因子として睡眠覚醒サイクルの変調が挙げられる。これまで夜間睡眠の阻害因子について明らかにしていく中で、ICUでの睡眠確保の困難さと従来の日中覚醒促進ケアによって活動と休息のバランスが不均衡となり睡眠覚醒サイクルの変調を引き起こしていることがせん妄を誘発する一因であると考えられる。そこで本研究では概日リズムの改善効果が明らかにされている日中の短時間の午睡(Nap time)を導入することによる睡眠覚醒サイクルに及ぼす効果とせん妄予防に対する有用性について明らかにすることを目的とした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的は、ICU入室患者に対し日中の短時間のNap time導入が睡眠覚醒サイクルに及ぼす効果とせん妄予防に対する有用性について明らかにすることである。具体的には1)ICUにおける環境の実態を調査し、Nap timeの実施方法について検討する。2)非ランダム化比較試験にてNap timeが睡眠覚醒サイクル(覚醒度、夜間睡眠の質、生理応答)に及ぼす効果について検討しせん妄予防に対する有効性について明らかにする。3)Nap timeケアプログラムを開発することの3点である。 令和4年度では1)ICUにおける環境の実態を調査を開始した。まずICUに入室した術後患者に対し簡易脳波計を用いて睡眠における客観的評価および睡眠質問票を用いた主観的評価を実施した。さらに夜間帯における音環境を精密騒音計を用い測量を行った。 今後はデータ収集を継続し、これらの結果を解析することで、夜間帯におけるICU入室患者の睡眠状況を明らかにしていくとともに、日中のICUの音環境などを調査し、Nap time導入方法の検討を進める。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はデータ収集を継続し、脳波や質問紙票の結果を解析していくことで、夜間帯におけるICU入室患者の睡眠状況を明らかにしていくとともに、日中のICUの音環境などを調査し、Nap time導入方法の検討を進めていく。
|
Causes of Carryover |
資材の調達方法により当初計画より経費の使用が節約できたことにより未使用額が生じた。脳波計測時に用いる消耗品の購入に使用する予定である。
|