2022 Fiscal Year Research-status Report
タスク・シフト/シェアを見据えた救急看護師のロールモデルの構築
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22K10869
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
須田 果穂 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60883593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山勢 博彰 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90279357)
田戸 朝美 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30452642)
山本 小奈実 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60574340)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 救急看護師 / 病院救命士 / タスク・シフト/シェア / ロールモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、救急看護師が現在担っている役割を明らかにし、タスク・シフト/シェアへの示唆を得ることを目的に文献検討を行った。結果、7つの実践的役割(①アセスメントと判断、②救急処置、③生活行動援助、④精神的ケア、⑤家族ケア、⑥プレホスピタルケア、⑦災害救急活動)、5つの調整的役割(①医療チーム内調整、②倫理調整、③社会的支援、④環境調整、⑤救急医療物品の整備)、4つの教育・管理・研究的役割(①救命・救急処置の指導、②看護スタッフ管理、③看護研究、④救急医療政策への参画)が見出された。救急看護師は、救命のためのケアをはじめ、精神的ケアや家族ケアなどの実践的側面の役割以外にも、調整・教育・管理・研究などの幅広い役割を担っていることが明らかになり、タスク・シフト/シェアが推進される中でも、質の高い救急医療を提供できるよう、救急看護師にしか担えない固有の役割を認識し、その専門性を十分に発揮する必要があることが示唆された。 また、救急医療に従事する医療従事者のタスク・シフト/シェアを見据え、救急看護師が多職種と連携・協働しながらより高い専門性を発揮するための、担うべき役割を明らかにすることを目的にWeb上で実態調査研究を行った。結果、救急看護師は〔相対的医行為実施〕〔相対的医行為介助〕〔生活行動援助〕〔患者・家族の精神的ケア〕〔職種間連携〕〔部署間連携〕〔退院後の生活を見据えた支援〕〔環境調整〕〔救急医療物品の整備と準備〕〔労務環境の調整〕の役割を担うべきと捉えられていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査の第一段階であるWeb上で実態調査は順調に行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、救急看護師の新たな役割を構造化する計画にしていたが、第一段階の調査を踏まえ、また救急救命士法の改正から約1年半が経過し、病院救命士が加わり新たな医療チーム体制へと変革している救急医療の現場では、実際に各医療職種がどのような役割を担い、他職種と連携・協働し医療チームメンバーとして活躍しているかについては、各施設に委ねられ、模索している現状がある。そこで、第二段階の調査に入る前に、医師・看護師・病院救命士のタスク・シフト/シェアはどのように進んでいるのか、またその効果や課題について調査を行う予定にしている。
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Causes of Carryover |
第一段階の調査を行い、医師、看護師、救急救命士の救急看護師への認識が明らかになった。しかし、本調査は、調査対象を消防署に所属する救急救命士としていた。救急救命士法の改正から1年以上が経過し、病院救命士数も増えてきたので、第二段階の調査の前にインタビュー調査を行い、病院救命士の実態について明らかにすることとした。調査方法として、インタビュー調査を予定している。質的調査の実施に必要なソフトウェアの購入や調査の依頼にかかる事務費用に使用する。
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