2023 Fiscal Year Research-status Report
成長ホルモン治療中の子どもと家族の治療継続を支えるピア・サポートプログラムの開発
Project/Area Number |
22K10963
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Research Institution | Tenshi College |
Principal Investigator |
田中 さおり 天使大学, 看護栄養学部, 准教授 (00559825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茎津 智子 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (10177975)
日沼 千尋 天使大学, 看護栄養学部, 教授 (40248927)
伊織 光恵 天使大学, 看護栄養学部, 准教授 (40736287)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 成長ホルモン治療 / 子ども / 家族 / ピア・サポートプログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、成長ホルモン治療中の子どもと家族の治療継続時のアドヒアランスの維持向上のため、ピア・サポートに着眼し、ピア・サポートプログラムを開発・実践し、その効果を検証することである。 2023年度は、2022年度に実施した成長ホルモン治療(以下GH治療)中の子どもをもつ母親を対象としたピア・サポートプログラムの効果について分析を進めた。ピア・サポートプログラムの効果は、1.プログラム毎の満足度、2.プログラム前後の自己効力感とQOLの変化、3.プログラムに対する母親の受け止めや要望、から評価した。プログラムには3名の母親が参加したが、プログラムの満足度は概ね良好であった。プログラム参加前後の自己効力感やQOLに大きな変化は認められなかった。プログラムに参加した母親からは、「他の母親に触発され治療により前向きになった」、「子どもにもピア・サポートや勉強会を通して治療に向き合ってほしい」、「ピア・サポートに加え医療者からもフォローがほしい」「参加者が3人では少ない」といった声がきかれた。 以上より、実施したピア・サポートプログラムは実施方法に大きな問題はなく、母親の治療に関する前向きさを促進させる効果があることが示された。また、ピア・サポートプログラムと医療者からの支援を組み合わせたプログラムを検討することやアウトカム評価の指標を再検討する必要性が明らかになった。上記結果は、The 27th East Asian Forum of Nursing Scholars Conferenceで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度にGH治療中の子どもをもつ母親を対象としたピア・サポートプログラムを実施できたため、今年度はその結果について分析を進めることができた。そのためおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、GH治療中の子どもを対象としたピア・サポートプログラムの実施に向けて、国内外の子どもを対象としたピア・サポートプログラムに関する文献をレビューし、それを基に、プログラム案を作成する。また、2023年度に分析した母親を対象としたピア・サポートプログラムの結果でも、子どもに対するピア・サポートプログラムに関する要望や意見があったため、その意見も参考にプログラム案を作成する。
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Causes of Carryover |
2022年度に予定していた学会参加等がCOVID-19の影響により実施できなかった分が、2023年度にも影響を与え次年度の使用額が生じている。しかし、2023年度は学会発表等を実施し、前年度より予算を使用できているので、2024年度も文献レビューや論文投稿準備、学会発表等を実施し予算を執行していく。
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