2022 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of effectiveness and sustainability of gatekeeper training for suicide prevention through randomized controlled trials
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22K11093
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
後藤 成人 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (30635347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
影山 隆之 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (90204346)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自殺対策 / ゲートキーパー / 公衆衛生 / ゲートキーパー養成研修 / ランダム化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究への協力が得られた地域において、ゲートキーパー(GK)養成研修を受講する実験群と、研修は受講せず、質問紙への回答にのみ協力してもらう対照群となる方を紹介していただいた(依頼していた4地域中3地域はCovid-19の影響で今年度の研修を中止した)。 受講者には、研修前後と研修から一か月後、三か月後、半年後、一年後、三年後まで追跡調査を依頼し、研修に参加した36名34名から研究協力への同意を得た。研修前後の調査が終了し、現在研修終了一か月後の質問紙が返送されている。 研修効果を評価するために用いた質問紙には、内閣府の調査(2008)や大分県の自殺実態調査(2008)で使用された自殺に対する考え方(自殺観)の項目や、川野ら(2010)が作成した自殺の対応への自信に関する質問項目、川野ら(2015)が作成した自殺念慮者への対能力を評価する日本語版のSIRI、小高ら(2021)が作成したGKとして最低限必要な知識やスキルを評価するGKSを含んだ。 現在分析可能である研修前後の各項目の変化を確認すると、自殺観の7項目のうち、「自殺は弱い人間のすることである」という項目が有意に望ましい回答へと変化していた。また、自殺の対応への自信は7項目のうち、6項目で有意な変化が見られ、最初は対応への自信がない人が多かったが、研修後は対応への自信を持つ人が増えていた。SIRIでは、1項目のみ望ましい変化を見せ、GKSでは知識に関する2項目で正当を選ぶ人の割合が増え、スキルの3項目で「できない」から「できる」へと得点が向上していた。 現時点では、まだ一地域の研修受講者の研修前後での評価のみであるため、今後は一か月後以降の研修効果を確認するとともに、残りの三地域への調査と対照群への質問紙調査を進め、さらに詳細な検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は年度初めに4地域で自殺対策におけるゲートキーパー養成研修を行い、その効果を研修前後から、一か月後、三か月後、半年後、一年後、三年後まで追跡し、対照群と比較する予定であった。しかし、Covid-19の影響で研修の時期が遅くなったことや、中止になる地域もあったことから、当初の予定よりも研修と調査の実施が遅くなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年5月8日よりCovid-19の分類が変更となり、当初研究への協力を依頼していた他の地域でのゲートキーパー養成研修も再開されることとなった。そのため、今年度は昨年度から協力を頂いている一地域の効果と持続性を検討していくとともに、他の地域でのゲートキーパー養成研修の実施と、その効果と持続性の評価を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、予定していた4地域中3地域がCovid-19の影響でゲートキーパー養成研修を中止した。そのため、その地域で行う予定であった研修の調査で使用する質問紙の印刷費や郵送費を使用することがなかった。昨年度未使用であった費用については、今年度は残りの3地域でもゲートキーパー養成研修を開催するため、その際の質問紙調査の印刷費、郵送費で使用する予定である。
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