2022 Fiscal Year Research-status Report
高齢者フレイル発症における鍵因子の探索と新規介入方法への応用
Project/Area Number |
22K11096
|
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
広瀬 環 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 助手 (50883005)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦野 友彦 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (20334386)
久保 晃 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (50260295)
石坂 正大 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (60734621)
小野田 公 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (90709049)
沢谷 洋平 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (00848632)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 新型コロナウイルス / COVID-19 / 地域在住高齢者 / 社会活動制限 / フレイル / 要支援・要介護高齢者 / 通所リハビリテーション / afterコロナ |
Outline of Annual Research Achievements |
申請書らは,地域在住の高齢者を対象としたコホート研究から,コロナ禍における高齢者フレイル発症の鍵因子を探索した.その結果,地域在住高齢者においては,COVID-19拡大前の2017年~2019年と拡大後の2020年~2021年の5年間における反復横断研究で,COVID-19拡大後にフレイル・プレフレイルが増加し,ロバストは減少した(Hirose T, et el. J Am Geriatr Soc, 2023).また,地域在住高齢者における2020年~2021年の縦断研究では,ロバスト(健康)への回復した人には「趣味を行っている」,新たにフレイルを発症した人には「地域活動を行っていない」が関連していることを明らかにした(Hirose T, et el, Geriatr Gerontol Int, 2022).また,地域在住の女性高齢者における握力・歩行速度・筋肉量の変化は,COVID-19拡大前に比べ,拡大中に体幹部筋肉量のみが減少している特徴を見出した.その要因は,感染拡大前にロバストで,感染拡大中に外出機会が減少した人である特徴を認めた(Hirose T, et el, Int J Environ Res Public Health, 2022).さらに,通所リハビリテーション利用の要支援・要介護高齢者においては,COVID-19拡大下におけるフレイル有症率の変化とCOVID-19ワクチン接種の関連を明らかにし,ワクチンの接種済みの高齢者と比べて,ワクチン未接種の高齢者はフレイルが悪化していることを明らかにした(Hirose T, et el, Int J Gerontol,2023). このように,COVID-19による社会活動制限による生活スタイルの変化が高齢者のフレイルに与える影響とそれに関連する要因を縦断的に同定にした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の研究課題として,Step1:コロナ禍におけるフレイル有症率と特徴,Step2:縦断調査におけるフレイルの変化,Step3:フレイル発症における鍵因子の探索と新規介入方法への応用を挙げている.申請者らは,地域在住の高齢者におけるCOVID-19拡大下および拡大前・後のフレイル有症率の変化やそれらに関連する要因を明らかにした.これらの研究成果の報告として,2022年度は,5報の論文・5報の学会発表を行った.また,すでに2023年度の調査にも着手している.
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度も,2022年度に引き続き,地域在住の高齢者(2020年度からの縦断対象者)へのフレイル調査を行う予定で,現在,調査準備を進めている.また,感染状況や感染分類の移行により,対面での計測も従来通りに近い形で実施できるようになってきているため,計測を幅広く展開していく予定である. “with”コロナから“after”コロナに差し掛かりつつある現状において,申請者らが構築した地域在住の高齢者および通所リハビリテーション利用の要支援・要支援高齢者を対象に更なる長期的な追跡調査を継続していく.それにより,本研究の目的である地域在住の高齢者のフレイル発症における鍵因子を縦断的研究で明らかにし,鍵因子をターゲットとした介入方法への応用を検討をしていく.
|
Causes of Carryover |
研究を円滑に遂行するために,交付前より研究機器等の購入を行った.また,地域在住高齢者を対象にしたアンケート調査のため,前倒請求を施行した.しかし,予算より支出が少なく済んだため,次年度使用額が生じたと考える. 次年度も地域在住高齢者を対象にしたアンケート調査を予定している.本調査は,縦断調査のため,年々対象者の減少に伴う調査費用の減額が考えられるが,現在の原材料費高騰等により,大幅な減額が見込めない可能性がある.そのため,次年度の調査費等として使用する計画とした.
|