2023 Fiscal Year Research-status Report
Social implementation trial of ALD/NAFLD predictive model to improve health literacy and promote behavior change
Project/Area Number |
22K11211
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Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
本村 純 名桜大学, 健康科学部, 上級准教授 (50632999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 恭史 京都大学, 医学研究科, 教授 (20283666)
花城 和彦 名桜大学, 健康科学部, 教授 (20284961)
池松 真也 沖縄工業高等専門学校, 生物資源工学科, 教授 (40442488) [Withdrawn]
神谷 義人 名桜大学, 健康科学部, 助教 (50812830)
砂川 昌範 名桜大学, 健康科学部, 教授 (70325835)
奥本 正 名桜大学, 健康科学部, 教授 (70330727)
立津 慶幸 名桜大学, 公私立大学の部局等, 上級准教授 (70833911)
玉田 嘉紀 弘前大学, 医学研究科, 教授 (80435495)
島 康貴 名桜大学, 国際学部, 准教授 (60838556)
内野 詠一郎 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (20820905)
中澤 麻衣 弘前大学, 医学研究科, 助教 (90971599)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 疫学調査 / 横断調査 / 非侵襲的スクリーニング / 脂肪肝 / 特定健診項目 / ALD / NAFLD / 縦断調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
縦断研究のデータにより開発する予定の、ALD・NAFLDの予兆モデルに必要な要因を検討し、これまで収集した横断研究によるデータを用いて脂肪肝のリスクを判別することができるスコアリングシステムを開発した。本成果について、論文化・投稿を行い、アクセプトされた*1。 本論文では、沖縄県在住者で、且つ、肝硬変、肝臓がん等の肝疾患を有さない者を解析対象者とし、飲酒群及び非飲酒群に分け、特定健診項目のみで脂肪肝のリスクを判別する非侵襲的スクリーニングを目的としたスコアリングシステムを報告している。本スコアリングシステムを開発するために、2018年度及び2019年度に横断調査として行って収集した、質問紙による生活習慣に関するデータ、生理学データ、生化学データの内、先行研究で脂肪肝と関連があると報告されているデータを用いて解析を行った。また、脂肪肝リスクを判別する能力を評価するため、本スコアリングシステム、及び肝臓の線維化のリスクを判別し、生検の必要性を検討するための既存のスコアリングシステム(AAR、BARD、及びFIB4)のAUROCを算出した。その結果、我々が開発したスコアリングシステムは既存のスコアリングシステムと比べ、高い数値を示し、肝疾患を有さない者における脂肪肝リスクのスクリーニングとしての有用性が示唆された。本スコアリングシステムは、今後予定している縦断調査のデータによるALD/NAFLD予兆モデル開発につながる成果となった。
*1 Jun MOTOMURA, Masanori SUNAGAWA, Kazuhiko HANASHIRO, Kei KAMIDE. Development of scoring systems for alcoholic and non-alcoholic fatty liver using the Specific Health Examination items. Journal of Physical Fitness, Nutrition and Immunology. 33(1) 3-13. 2023 Dec.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度において、横断調査によるデータを用いた、沖縄県在住者で、且つ、肝疾患(肝硬変、肝臓がん等)を有さない者における脂肪肝リスク判別のためのスコアリングシステムを開発した。本スコアリングシステムの開発により、将来のALD/NAFLD予兆モデル開発を行うために必要な要因の検討を行うことができた。よって、必要な要因の検討については概ね順調に進捗し、ある一定の成果を得ることができたと考える。 一方、2022年度又は2023年度において縦断調査を開始し、ALD/NAFLD予兆モデル(3年後の発症予測モデル)開発に必要なコホートのビッグデータの収集を実施することはできなかった。したがって、縦断調査実施又は実施のための準備は遅れていると考える。この進捗の遅れの理由について、新型コロナウイルス感染症の影響により、自治体との調整に時間を要している点が挙げられる。本研究において、新たに縦断調査を行う際、連携する自治体の国保被保険者を対象として実施するための調整を行う必要があった。本学は沖縄本島北部地域(通称、「やんばる」)の12市町村が設置した、北部広域市町村圏事務組合により設立された背景がある。沖縄県内には合計41市町村あるが、本学は「やんばる」の12市町村の内、いずれかの自治体との連携の下、縦断調査を行う必要がある。遅くとも本年度内における縦断調査の開始を目指して調整を行ったが、本年度5月にようやく新型コロナウイルス感染症が感染症法5類に移行されたこともあり、本年度内の縦断調査のための契約締結を行うことができなかった。契約締結ができなかった理由として、自治体及び本学におけるあらゆる事業が前年度までに確定させる必要があるが、それができなかった点が挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本予兆モデル開発に必要なデータについて、本年度で把握ができている点、縦断調査実施のための自治体との調整、実施のための学内外における研究分担者との調整、及び予算の確保ができている点より、2024年度中に連携自治体との契約締結ができれば、2025年度より縦断調査によるデータ収集が可能となると考える。 したがって、第一に、連携する自治体との調整を継続し、2024年度内に2025年度から開始する縦断調査のための契約締結を目指す。また、第二に、将来のALD/NAFLD予兆モデル開発及びアプリケーションの開発に先駆け、本県の地元企業と協働し、本研究チームが開発した脂肪肝リスク判別のスコアリングシステムのアプリケーション開発を目指す。さらに、第三に、2025年度開始予定の縦断調査で連携する自治体において、この脂肪肝リスク判別のアプリケーションの社会実装試行を行う。この脂肪肝リスク判別のアプリケーション開発及びその社会実装試行のプロセスを経ることにより、ALD/NAFLD予兆モデル(3年後の発症予測モデル)のアプリケーション開発・社会実装試行を円滑に進めることができると考える。もちろん、脂肪肝リスク判別のスコアリングシステムは横断調査のデータに基づくスクリーニング指標であることより、縦断調査のデータによるALD/NAFLD予兆モデルではないが、本スコアリングシステムのアプリケーションにより、「やんばる」における住民のヘルスリテラシーを向上させ、行動変容を促すことができれば、「やんばる」における健康増進活動の一方法論として、将来的に活用できる可能性があると考える。
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Causes of Carryover |
2022年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、学内外における同感染症対策に基づく教育・地域貢献活動を行う必要があり、これらの教育・地域貢献活動に多くの時間と労力を要した。したがって、この影響は本年度における学内外の教育・研究・地域貢献活動にも残り、これまで横断調査で収集した遺伝子データ及び腸内細菌叢データのクレンジング及び解析を十分に行うことができず、これらの補助のための人件費を本年度執行できなかった点が、次年度使用額が生じた理由として挙げられる。 また、連携自治体における縦断調査を実施するための自治体との調整について、新型コロナウイルス感染症の影響により、時間を要している点が挙げられる。連携自治体との調整を行い、必要な契約の締結に基づく縦断調査を実施することが可能となれば、縦断調査のデータが収集でき、遺伝子データ、腸内細菌叢データのクレンジング、解析補助のための人件費を執行することが可能となる。しかしながら、この人件費も執行することができなかった。 2024年度は、横断調査で収集した遺伝子データ及び腸内細菌叢データのクレンジング及び解析を十分に行うことができるよう、必要な要員を雇用し、生じた次年度使用額を執行していく計画である。また、縦断調査を開始する2025年度以降にも、データのクレンジング及び解析に現段階での次年度使用額を行うことができるよう、計画的に執行する。
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Research Products
(2 results)