2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new prosthetic gait rehabilitation using Virtual Reality
Project/Area Number |
22K11311
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
前田 慶明 広島大学, 医系科学研究科(保), 准教授 (10536783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦邉 幸夫 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (40160337)
笹代 純平 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ医学・研究部, 専門職 (20758221)
栗田 雄一 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (80403591)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Virtual Reality / 義足歩行 / 下肢切断 / インタラクティブ |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度において,健常者が模擬的に義足での立位や歩行を可能にするための模擬義足を作成し,実際に健常者で使用可能であるかを検証した.その結果,模擬義足でのVirtual Reality(VR)を併用した立位バランスならびに歩行練習が可能となり,これらのシステムを確立することができた.模擬義足でのVRを併用した立位バランスへの効果を判定するために関連する先行研究の検討をはじめ,プロトコールの検証や予備実験の実施,対象者の募集を行った.模擬義足を装着したことのない健康な男性18人が参加し,3つのグループ(VR群、タブレット群、コントロール群)に群分けした.参加者は右足に模擬義足を装着し、平行棒を5分間踏む練習を行った.VR群はヘッドマウントディスプレイ(HMD)で主観的に撮影された歩行動画を視聴し,タブレット群は目の高さに設置されたタブレットでそれを視聴した.歩行中のバランス能力の指標として,TUG(Timed Up and Go)テストを介入前後に実施した.その結果,VRが模擬義足使用者の動的バランスの改善に有効であることを示唆した.つまり,没入感の高いVR映像を使用することで義足への負荷量が増加し,TUGテスト時間がさらに改善した可能性がある.今後,健常者を対象に模擬義足でのVRを併用した歩行練習システムの急性効果に加えて,VR未使用群とVR使用群に分けてVRを併用した歩行練習プログラムの介入を実施し,VRの使用が歩行能力向上に有効であるかを検証する.また,最終的には実際の義足で歩行している切断者を対象に本システムの効果についても検証し,臨床現場への本プログラムの普及を実施していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は,健常者が模擬的に義足での立位や歩行を可能にするための模擬義足を作成し,実際に立位バランス練習や歩行練習が可能であるかを検証した.その結果,健常者を対象に模擬義足でのVRを併用した立位バランスならびに歩行練習が可能となり,これらのシステムを構築することができた. VRを併用した立位バランスならびに歩行練習システムの効果を判定するための評価指標の選定や模擬義足の不具合による修理などに時間を要し,本来の予定より遅れている.そのため,全体的に多少の遅延が生じている. 2023年度は健常者を対象として,模擬義足でのVRを併用した歩行練習システムを構築するための予備実験の実施,評価方法を検討した.その予備的研究の結果と本研究に関連する先行研究の結果を踏まえて, VRを併用した歩行練習プロトコールについて検証した.
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は健常者を対象にVR未使用群とVR使用群に無作為に分けて, VRを併用した模擬義足での歩行練習システムを構築していく予定である.また,その介入前後でTimed up and Goテストを実施し,その介入効果判定を実施する.実験終了後にデータ分析を行い,VR関連やリハビリテーション関連の学会,雑誌での論文発表を行う予定である.
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Causes of Carryover |
【理由】 2023年度にVR未使用群とVR使用群に分けてVRを併用した歩行練習プログラムの介入を実施し,その成果を発表する予定であったが,評価方法の選定や実施方法に変更したため,未使用額が生じた. 【使用計画】 次年度の研究費は実験に必要な必要な消耗品や被検者謝金などに使用する.また,旅費は次年度の研究成果を国内外の学会で発表するための旅費,論文投稿に関わる費用に使用する.
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