2022 Fiscal Year Research-status Report
弾性帯を用いた脳卒中片麻痺者用姿勢修正ウェアの開発と評価
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22K11322
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
勝平 純司 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (00383117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四津 有人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30647368)
松田 雅弘 順天堂大学, 保健医療学部, 先任准教授 (40453485)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バイオメカニクス / 脳卒中片麻痺 / 姿勢修正ウェア / フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
片麻痺者に対する装具やロボットを用いたリハビリテーションは主に下肢に着目して行われており,片麻痺者の体幹機能の改善や補助を目的とした機器はコルセットや腰ベルト等を活用した民間療法的な試みを除くとほとんどない.上記の問題を解決するために,我々は,前かがみ姿勢の矯正,腹筋活動の維持などに効果を発揮する抗力を具備した継手付き体幹装具を開発し,実用化にも成功した.本研究の目的は継手付き体幹装具の効果を保ちつつ,脱着の容易性や装着の継続性を高める姿勢修正ウェアを開発することである. 姿勢修正ウェアは胸部と骨盤部に取り付けた固定具に弾性帯を通して装着することで,容易に脱着することが可能な仕様を目指している.また,弾性帯を締める力の大きさを変えること,弾性帯自体の強度を全体または一部入れ替えることで,段階的・部分的に姿勢を修正する強度を変更することもできる機構を設ける.固定具にジャイロセンサーや力センサーを内蔵しアプリ上で評価することで,矯正力と姿勢の関係をあわせて評価する仕組みを構築する.上記を踏まえて2022年度は姿勢修正ウェアのプロトタイプの製作と改良を実施した.複数名の理学療法士に対するヒヤリングを行いつつ,機構の検証と装着時に意図した効果が得られているかについての予備的な検証を行った.装着する際にズレが生じることや固定力が想定よりも弱い等の問題点が明らかになったため,改良を加えた上で2023年度は実際の片麻痺者を対象とした検証実験を実施する. 固定具に内蔵するジャイロセンサーや弾性帯に内蔵する力センサーの選定も終了しており,アプリのプロトタイプ開発の準備もあわせてすすめている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度にはプロトタイプを制作した後に若年者や高齢者を対象とした実験を実施することを予定していた.しかしながら,プロトタイプを装着するとずれることや身体に与える保持力が想定よりも弱かったことなどから,さらなる改良が必要となりプロトタイプを用いた検証実験まで至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
プロトタイプの仕様や制作に関するめどは立っているため,2023年度の早い段階でプロトタイプの姿勢修正ウェアを完成させた上で,問題がなければ片麻痺者による試用や検証実験を実施して評価を実施する.脳卒中片麻痺者のリクルートについては複数の回復期リハビリテーション病院や通所リハ施設の協力について内諾を得ることができているため,プロトタイプが完成するとすぐに実施することができる.
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Causes of Carryover |
プロトタイプ試作の後,効果検証実験を予定していたが試作したプロトタイプの状態が不十分だったため,効果検証実験に至らず次年度使用額が生じた.プロトタイプの改良については目途が立っているため,改良実施後すぐに実験を実施する予定である.
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