2022 Fiscal Year Research-status Report
The development of 'core' exercise intervention and skeletal muscle index in diabetes mellitus in older adults with sarcopenia.
Project/Area Number |
22K11355
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Research Institution | Osaka Yukioka College of Health Science |
Principal Investigator |
井坂 昌明 大阪行岡医療大学, 医療学部, 講師 (70735505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤坂 憲 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (70468081)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | サルコペニア / フレイル / 高齢者2型糖尿病 / 骨格筋エコー / 運動強度 / 介入効果 / 遠隔期予後予測 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢糖尿病患者はその病態や治療により重篤な病態との関わりが強く、予防がまず重要となる。なかでも骨格筋量および筋力低下により定義されるサルコペニアは、糖尿病と互いの発症リスクにおいて悪循環を形成していると考えられているが、糖尿病関連指標がサルコペニアの進展を予測し得るかは不明である。 現行のサルコペニア判定における骨格筋量評価法としてCT やMRI などが標準とされるが、実臨床ではこれらを用いての測定は、簡便性、迅速性という観点からは適さない。我々は日本人高齢男性コホートにおいて、前脛骨筋のエコー評価がサルコペニアと関連し、エコーによる骨格筋の量的・質的評価の有用性を報告してきた。 本研究の目的は、1.高齢者糖尿病に対する運動介入がサルコペニアを改善させるか明らかにすること。さらに、2.運動介入の効果を判定するバイオマーカーとしてエコーによる骨格筋評価が有用であるか明らかにすることである。 老年医学におけるトピックであるフレイル、その中核であるサルコペニアは、糖尿病など生活習慣病の存在により、その病態が促進されることが臨床的検討から明らかにされつつある。この観点に基づき、運動および栄養介入の効果判定に身体機能評価および血液検査を施行した高齢者(65歳以上)のデータベースを用い、骨格筋エコーを用いた簡便なサルコペニア評価法およびフレイルまたはサルコペニア指標との関連について検討してきた。本年度は、サルコペニアと骨格筋エコーに関連する論文を筆頭著者として国際誌1本、共同著者として国内誌1本が採択された。また、筆頭演者として国内学会2件と国際学会1件、共同演者として国内学会1件と国際学会1件の成果を残した。 本年度得られた成果は、エコーを用いた下腿筋評価の礎となり、高齢糖尿病患者に対する新たな運動療法の意義を示すことにおいて重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、依然として研究機関が感染拡大前のような状態には至っていないが回復傾向にある。新規対象者獲得が1例に留まり計画していた症例数に到達できず難渋している。 しかし、そのなかにおいて、研究の中核となるサルコペニアに関する著書の作成をはじめ、骨格筋エコーの有用性に関する研究について国内外の学会発表および国際論文に採択されるなど、その成果を社会貢献として還元することができた。 現在、完遂した症例数は当初の計画より少なく5例だが、サルコペニア合併高齢糖尿病患者のエコーによる骨格筋特性および運動強度別のクロスオーバー比較試験による運動強度別の介入効果(骨格筋指標、血糖コントロール)を解明するため、得られた結果から国内学会で報告するための演題を作成している。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者は、サルコペニアに関する研究を以前から実施しており、すでにチームでの役割分担や連携の確認も完了している。しかし、万が一不測の事態が生じて研究の遂行が困難になった場合においても、研究分担者または研究協力者が代行し研究を継続する体制において再構築を図った。 また、本研究に用いる全ての測定指標は、現有する機器にて測定可能なものばかりであり、研究チームはそれぞれに高度な専門知識と研究能力を有し、機器の操作および解析にも精通していることを再確認した。 これまでの運動による介入研究の推進にあたり、申請者らの先行研究から各指標の数値が変化すると予想される範囲の知見を集積し終えていること、介入研究を実施する場所が所属する研究施設の敷地内においてすでに確保できていること、新たな感染症の対策を研究施設内はもとより実施場所において講じる準備(介入期間中の対象者一人当たりに要する測定時間と、一日あたりの測定人数を調整しながら慎重に遂行する)に対して再構築を図ることで、研究の遂行実現に向け尽力する。
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Causes of Carryover |
本年度は、研究分担費において骨格筋特性に関連する生化学的指標を解析するために必要な特殊血液検査費のみの使用であり、予定していた当該年度の使用予定額を満たすことができなかった。今後は本研究を推進させるための研究経費はデータ解析装置をはじめ精密機器の精度向上、現有機器の維持・管理、特殊臨床検査費および社会貢献に関連する費用を中心に使用する予定である。特に、研究成果発表に要する論文執筆はもとより、国内をはじめ国際学会にも積極的に参加予定であり、社会貢献に伴う適切な使用を計画している。
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