2022 Fiscal Year Research-status Report
温熱刺激や体外衝撃波を用いたICU関連筋力低下の新たな治療戦略
Project/Area Number |
22K11384
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
横山 真吾 豊橋創造大学, 保健医療学部, 講師 (30706859)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ICU-AW / 温熱刺激 / 体外衝撃波 |
Outline of Annual Research Achievements |
集中治療の進歩により重症患者の生存率は飛躍的に向上したものの、救命された重症患者の25%以上にICU関連筋力低下(ICU-acquired weakness;ICU-AW)が合併することが知られている。ICU-AWを呈した患者に対して歩行練習など通常の理学療法を約30日間実施したにも関わらず、44%もの患者に重篤な筋力低下が残存していたと報告されているように、ICU-AWに対して通常のリハビリテーションプログラムを行うだけでは回復に至らないことも少なくない。これはICU-AWの病態形成および回復メカニズムが廃用性筋萎縮と異なる可能性があることを意味しており、新規リハビリテーションプログラムを開発する必要性を強く示唆するものである。 ICU-AWの病態には筋衛星細胞の不活化とミトコンドリア機能障害が関与していることが報告されている。一方、温熱刺激や体外衝撃波は筋衛星細胞を活性化し、ミトコンドリア機能を改善するはたらきを有することが報告されていることから、ICU-AWからの回復過程においてこれらの刺激を加えることでより効率的な治療が実施できるようになり、新規リハビリテーションプログラムを開発するための基礎資料となるものと考えられる。 新規リハビリテーションプログラムを開発する前段階として、2022年度はマウスICU-AWリカバリーモデルについての検討を行った。実験動物はC56BL/6J雄生マウスとし、盲腸結紮穿刺により敗血症を誘発した後に抗生剤を投与しICU-AWの再現を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は4年計画で実施する予定であり、2022年はその初年度にあたる。当初の計画ではICU-AWリカバリーモデルの確立と病態メカニズムの解明まで実施する予定であったが、ICU-AWリカバリーモデルの検討に時間がかかってしまい、病態メカニズムの検討まで至っていない。そのため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の成果によりICU-AWリカバリーモデルは概ね確立できたものと考えている。今後は組織学的・分子生物学的解析により病態解明を進めていくとともに治療刺激(温熱・体外衝撃波)を加えるモデルを作製し、治療効果についての検討を実施していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では2022年度に実験モデルの確立と病態メカニズムの解明まで実施する予定であったが、実験モデルの検討に時間がかかってしまい病態メカニズムの検討まで実施できなかった。2022年度で実験モデルは概ね確立できたため、病態メカニズム解明のために計上した予算を2023年度以降に計上し、解析を進めていく予定である。
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