2022 Fiscal Year Research-status Report
外側円板状膝半月板縫合術後の競技復帰基準と術後プログラムの確立
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22K11387
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
緒方 悠太 久留米大学, 大学病院, 医療技術員 (00807951)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 半月板損傷 / 円板状半月板 / 動作解析 / 理学療法 / リハビリテーション / 形成切除術 / 半月板縫合術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は術後1年までの膝関節の筋力の変化や、術後3ヵ月時点での片脚スクワット動作を国内学会で報告した。また、これまでのデータを解析し、外側円板状半月板の形成切除術と縫合術の術後1年までの身体機能と歩行時膝関節運動についてまとめた論文を現在国際誌に投稿中である。結果を要約すると膝関節の可動域制限は術後3ヶ月、歩行時膝関節運動は術後6ヶ月、膝伸展筋力は術後12ヶ月の間左右差が残存することがわかった。また、術後3ヵ月時点では片脚スクワット動作時に術側の膝伸展モーメントが非術側と比べて低下していることが分かった。外側円板状半月板に対する形成切除術と縫合術後を行った場合、術後6ヵ月でのスポーツ復帰を目標として我々は実施している。スポーツ復帰基準の一つとして術側の膝伸展筋力が非術側の90%以上と設定しているが、術後6ヵ月時点において基準の90%を満たしている症例は約半数であった。これらの結果から、スポーツ復帰時期を伸ばし機能回復までに十分な期間を設けるか、より効率的な機能回復が出来るように術後リハビリテーションプロトコルを改良する必要があることが分かった。また、3ヵ月時点での片脚スクワット動作では膝を使わない動作となっていた。術後3ヵ月で患健差が残存することは正常な範囲であると考えられるが、膝前十字靭帯再建術後では膝伸展モーメントの低下が長くなると、関節の軟骨が擦り減ることや再断裂が生じることが報告されている。今後は術後6ヵ月や12ヵ月時点での解析も追加して行い、予後との関連を明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
徐々に新規症例も追加されており、症例数は増えている。解析や成果発表に関しても当初の予定通り実施出来ており、全体として順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
予後不良例がまだ少なく、予後不良因子に関して統計解析を実施できる症例数ではないため、今後も継続して症例数を増やしていく方針である。また、今年度も国内学会での発表を予定している。また、一般社会に向けて広く情報公開できるような学会以外の場を探索し、最終的な成果をより多くの方が利用出来るような環境構築を目指していく。
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Causes of Carryover |
当初より早い論文化を実施しており、英文校正やオープンアクセス化などに費用が必要になる可能性が予測されたため前倒し支払い請求を実施した。また、筋骨格モデリングソフトのライセンス維持費用を本研究費から支出しなかったことも繰越金が生じた要因である。今後は筋骨格モデリングソフトの維持費や、査読中の論文の出版費用などに繰越金を用いる予定である。
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