2023 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病患者の運動療法による神経保護効果因子の検証
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22K11429
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
安藤 真矢 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40817053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
四津 有人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30647368)
頼高 朝子 順天堂大学, 医学部, 教授 (90245720)
奥住 文美 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90826075)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 有酸素運動 / 活動量計 / 抗αシヌクレイン自己抗体 / αシヌクレインメチル化率 / 神経保護因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、パーキンソン病(PD)患者において有酸素運動療法の効果を簡便且つ他覚的に評価できるバイオマーカー検索を目的としている。倫理委員会の承認を得た上で、参加適応のある患者を募った。これまでに19名エントリーしており、うち10名が運動群、9名が非運動群である。うち非運動群の1名が圧迫骨折により脱落している。運動群では、週5日以上のノルマでPD患者対象の体操(DVD)+20分以上のwalkingを可能な限り課している。外来では開始前、1ヶ月目、3ヶ月目、6ヶ月目、9ヶ月目で採血検体を回収し、臨床症状はUPDRS part 3とPDQ-39、認知機能はMMSE、非運動症状はNMSS、うつ症状はHAMDを用いてスコア化している。アクチグラフでは1ヶ月間の患者の活動量として歩数、活動強度、消費エネルギー量、運動時間、非運動時間などを測定している。特に運動時間/安静・非運動時間の比率を運動量の指標としていく。運動による神経保護因子の候補として神経栄養因子(BDNF)、長寿遺伝子産物(SIRT3)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、DNAメチル化酵素(Dnmt1)のタンパク質定量、SIRT3およびVEGFのmRNA定量を順次施行予定としている。さらにPDの病態に関わるとされるαシヌクレインに対する自己抗体量を測定する。また、運動でのαシヌクレイン遺伝子(SNCA)発現制御機構の評価としてSNCAメチル化率も測定する。抗αシヌクレイン自己抗体とSNCAメチル化率測定は、実験条件の樹立を完了した。有酸素運動前後で有意差を認めた神経保護因子は、運動過程で産生されることに意義があるのか、今後創薬のターゲットとなりえるか、さらなる検証を要する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年4月より研究者の勤務地異動に伴い、倫理委員会に再申請し勤務地での研究体制を整えた。夏場は熱中症リスクなどから運動研究エントリーの開始を秋以降としていることも遅れている理由と考える。また、前赴任先病院の後任の研究分担者へ引き継ぎを依頼しており、参加者の臨床および採血データの回収を継続している。研究参加希望者の中では自宅でDVD視聴可能な環境にない方や、すでにYahr3以上のADLとなっているなど、参加対象者の基準を満たさないこともあり、参加者が限定されていることも参加人数を増やせていないことの理由の一つと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き参加者を集っている。採取した血液検体からDNA抽出は順次施行して、当大学の遺伝子バンクに保存しており、9ヶ月間の研究期間を完遂した患者の複数検体を順次測定していく予定である。
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Causes of Carryover |
これまでは主に検体収集物品や活動量計の購入に助成金を充てていたが、次年度に実験用試薬や各種抗体購入資金として用いる予定としている。
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Remarks |
順天堂越谷病院での健康講座WEB動画です。
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