2023 Fiscal Year Research-status Report
女性の健康障害に関与する鉄代謝と酸化ストレスに着目した最適な運動方法の提案
Project/Area Number |
22K11509
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
林田 はるみ 桐蔭横浜大学, 現代教養学環, 教授 (40460399)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 月経周期 / 酸化ストレス / 抗酸化力 / 女性ホルモン / 鉄代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は,一般女性の性周期に伴う鉄代謝と酸化ストレスの変動,そして女性アスリートのホルモン動態と鉄代謝・酸化ストレスの状態に焦点を当て,女性の鉄代謝と運動時の生理応答(パフォーマンスと月経関連症状)について評価することを目的としている. 今年度の取り組みでは,月経周期を考慮した学生アスリートのサポートに着手し,鉄代謝・酸化ストレス度との関連性を検討した. ①まず,鉄強化飲料の介入が月経期の月経随伴症状に及ぼす影響を検討した.この研究では,大学のチアダンス部に所属する女性9名を対象に,大会に向けた2か月半の期間にわたりサポートを行った.対象者の月経期当日に最大酸素摂取量と月経随伴症状を調査し,大会1ヵ月前からは鉄強化飲料の介入を行った.結果として,鉄の摂取不足を補うことで月経随伴症状に関する質問の総得点(MDQスコア)の改善には効果がみられなかったことから,教育効果や練習強度の増加,栄養素摂取量の不足などが影響している可能性が示唆された. ②次に,高校生女子柔道選手を対象に,トレーニング期間と生活状況が酸化ストレスレベルに及ぼす影響を明らかにした.短時間期,高強度期,試合前期の3つの異なるトレーニング期間および睡眠時間と歩数の生活状況が,酸化ストレスレベル(d-ROMs)に及ぼす影響を調査した.その結果,試合前期において酸化ストレスレベルが最も増加し,前日の睡眠時間と負の相関があることが示されました.これらの結果から,運動強度以外の要因(特に睡眠時間などの生活状況)が高校柔道選手にとって重要であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,月経周期を考慮した学生アスリートのサポートに取り組み,鉄代謝・酸化ストレス度との関係について検討を行い,当初の予定通り進めることができた.
以上の理由から「2: おおむね順調に進展している」を選択した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果については,国内および国際学会において研究成果の発表を行った. さらに,今後は,女性アスリートのホルモン動態および鉄代謝・酸化ストレスの変動について評価を行い,女性の鉄代謝の特徴と運動時の生理応答(パフォーマンスと月経関連症状)について論文を執筆する予定である.
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Causes of Carryover |
端数である2,511円が残った.次年度に繰り越して研究成果の発表に活用する予定である.
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