2023 Fiscal Year Research-status Report
自転車エルゴメーター駆動に視聴覚刺激を付加した運動プログラムの効果検証
Project/Area Number |
22K11532
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大武 聖 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 講師 (90747180)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 有酸素運動 / 視聴覚刺激 / 主観的時間 / 外的意識 / ビデオゲーム / 座位時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は健常成人を対象として、有酸素運動を行いながら音楽や動画、ゲームなどの視聴覚刺激を付加した運動方法について、付加する刺激の種類と心理的、生理的指標との関係、及び運動継続の効果を明らかにすることである。 2023年度は有酸素運動に付加する視聴覚刺激の種類と主観的時間との関係を明らかにするため、健常成人8名を対象に50Wの自転車エルゴメーター駆動を①付加刺激なし、②聴覚刺激(音楽聴取)、③視聴覚刺激(動画視聴)、④視聴覚刺激+能動的作業(ビデオゲーム)の4条件で各10分間実施し、主観的な経過時間の長さを比較した。その結果、付加刺激なし条件に比べて動画条件とビデオゲーム条件で主観的時間が有意に短縮することが明らかとなった。また、時間経過への注意はビデオゲーム条件が付加刺激なし条件よりも有意に大きかったことから、ビデオゲームを行いながらの運動は運動が好きではない人が運動を実施する場面で運動自体から注意を逸らし、運動に関連する不快感を軽減できる可能性があると考えられた。 また、上記研究で行った条件であるビデオゲームを運動に付加する方法を運動指導で取り入れる場合に対象となると想定される40歳代以下の日本人成人集団の特徴を明らかにするため、本研究は笹川スポーツ財団の実施した「スポーツ・ライフデータ2022」のデータの二次分析としてビデオゲーム実施と人口統計学的要因および身体活動との関連について検討した。対象者1384名を週1回以上のビデオゲーム実施の有無で2群に分け、基本属性、主観的健康状態、主観的体力評価、一日当たりの座位時間、週1回以上の運動実施状況について多変量解析を行った結果、習慣的に(週1回以上)ビデオゲームを実施している確率は年齢が若い、男性、BMI25以上、主観的に健康ではないと感じている、座位時間が長いと増加することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の進行の遅れの影響が今年度にも及んだこと、および研究代表者の所属施設の異動に伴う業務の引継ぎや引っ越し準備等に時間を要したため研究に充てる時間が十分に確保できなかったことから、今年度中に実施を予定していた研究は計測を終えたものの解析、結果の公表までは至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、計測まで終えている研究に関しては2024年度早期に解析と結果の公表を行う。 また、それに平行して次に予定されている研究(セルフエクササイズとしてのビデオゲームを実施しながら有酸素運動を行う方法の継続効果の検証)の実施に向けた準備を進めることで、これまでの研究推進の遅れを取り戻すようにする。
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Causes of Carryover |
初年度から生じている研究計画の遅延に加え、研究代表者の所属施設の異動の準備により研究に費やす時間を確保できず研究の遅延を挽回しきれなかったことから、当初予定していた論文投稿料や介入研究に使用する予定であった物品購入費、研究協力者への謝礼のための費用の支出が生じなかったことで未使用分が発生し、次年度使用額となっている。 次年度は現在解析を行っている研究成果を早々にまとめ、公表のために次年度使用額を使用する予定である。 また、研究代表者が異動により研究環境が変わり、研究実施のために運動機器や解析用ソフトウエアなどの購入が必要となったため、これらの購入に次年度使用額および次年度請求分の助成金を充足する。 上記の作業に加えて次の研究準備も平行して進めることでこれまでの研究の遅れを取り戻し、当初の予定通りに研究を進め、物品購入や謝礼、成果公表に次年度請求分の助成金を使用していく。
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