2022 Fiscal Year Research-status Report
運動ストレスに対する期待感と予測的循環調節およびストレス反応系との関連
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22K11662
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岩館 雅子 日本大学, 生産工学部, 准教授 (40409280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 一機 日本大学, 生産工学部, 専任講師 (50712311)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 予測的循環調節 / 背外側前頭前野 / 心臓自律神経活動 / 期待感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、運動ストレスに対する期待感の高低が、準備期の背外側前頭前野(DLPFC)活動と心臓自律神経活動および運動後のストレス反応に及ぼす影響を明らかにすることを目指している。研究期間1年目は、初めに、「ストレスに対する期待感」の操作手法についての文献調査を行った。そして、精神的ストレスに対する期待感の違いによる予期反応について検討したPulopulos MM et al.,(2020)らの手法を調査し、これを応用したプロトコールの作成と、認知的ストレス評価のための質問紙の作成を行った。また、運動ストレス対処能力のフィードバックを行うため、ハンドグリップ運動時の力曲線の記録を行うための機器の購入、設置、環境設定を行った。環境が整った後、健康な男子学生11名を対象に実験を実施した。対象者は無作為に2グループ(高期待群・低期待群)に分け、事前にハンドグリップの運動テスト(運動ストレス)を実施し、約1週間後に本実験を行った。本実験は、安静期~運動ストレス対処能力のフィードバック~準備期~運動期~回復期という手続きにおいて、左右DLPFCの脳活動(近赤外分光法による脳酸素動態)、心臓自律神経活動(心拍数、心拍変動からの心臓交感/副交感神経活動指標)、唾液ストレスマーカー(コルチゾールとαアミラーゼ)の時系列データを取得した。取得したデータは、研究分担者とともに解析し、脳活動と心臓自律神経活動については安定してデータが記録できていたことを確認したが、唾液ストレスマーカーについては有効値となるデータが取得できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本実験において唾液ストレスマーカー(コルチゾールとαアミラーゼ)の採集を行い、データの分析を実施したが、運動後のストレス反応のデータとして有効な数値が得られないという問題が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間2年目についても1年目に作成したプロトコールで実験を行い、統計的分析ができるようにデータ数を増やすことを目指していく。また、唾液データの取得に関して被験者への教示やデータの管理、分析方法について再度見直しを行い、本実験で有効なデータが得られるように調整したい。
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Causes of Carryover |
当初は、DLPFC活動を計測する近赤外分光装置(NIRS)とハンドグリップ運動時の力曲線を測定する機器を購入する予定であったが、物品価格の高騰により両機器の購入が叶わなかったため、未使用額が生じた。研究期間2年目の使用計画としては、NIRSのレンタル代金、唾液ストレスマーカーの問題の調査および測定キットの購入に使用したいと考えている。
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