2022 Fiscal Year Research-status Report
都市在住高齢者における注意制御機能と自転車運転操作の関連
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22K11675
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
下田 政博 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80302909)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マルチタスク / 注意分配 / 自転車 / P300 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,都市在住高齢者における注意制御機能と自転車運転のパフォーマンスとの関係を明らかにする.申請者は,高齢者が自転車を運転するときの注視点移動パターンが若年者のそれと異なり,また安全確認行動がより頻繁であることを明らかにした.注視点移動は能動的な注意制御を受けることから,自転車運転中の注視点移動パターンの相違には高齢者における注意制御機能の特異的変化が関係していると考えられる.また,高齢者にみられる積極的な安全確認行動は,高齢者における注意制御機能低下を補償している可能性がある.本研究課題は,認知神経科学的手法を用いて高齢者の自転車運転特性に関する科学的エビデンスを提供することで,自転車事故要因の理解と安全な自転車利用を促し,自転車事故防止に貢献するものである. 初年度に自転車走行シミュレーション環境及びデータ解析環境を整備して実験を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、研究協力者の参加が困難となった状況のために,研究全体の進行が遅れた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、研究協力者の参加が困難となった状況があり、研究を推進する速度が低下した。関連して、オンライン授業への対応など教育業務の負担が増え、研究活動に振り分けるエフォートが相対的に低下した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に実施できなかった高齢者を対象としたマルチタスク実験を行い,若年者の結果と比較して高齢者の注意分配機能の特徴を明らかにして自転車走行パフォーマンスとの関連を検討する. リーディングスパンテストを用いた実験を行い,選択的注意機能の評価と自転車走行パフォーマンスとの関連を検討する.このため,シミュレーション環境の微調整を行う予定である.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染防止の観点から被験者の参加が得られずに実験を実施できなかったため,人件費及び実験関連消耗品費の支出がなく,次年度使用額が発生した. 翌年度分と合わせて,高齢者対象の実験の結果を取りまとめ,国内学会で発表する。 リーディングスパンテストを用いた実験を行い、選択的注意機能の評価と自転車走行パフォーマンスとの関連を検討する。 被験者となる地域在住高齢者について、参加の目処がつき次第、上記実験を遂行する。
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