2023 Fiscal Year Research-status Report
オステオサルコペニアの実態解明とスクリーニングツールおよび効果的治療法の検討
Project/Area Number |
22K11795
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
石原 裕己 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 内分泌代謝高血圧研究部, 研究員 (50866853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下部 徹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 内分泌代謝高血圧研究部, 研究室長 (60452356)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オステオサルコペニア / サルコペニア / 骨粗鬆症 / サルコペニアスクリーニングツール / 下肢運動機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会となった日本において、骨粗鬆症とサルコペニアはいずれも主要な要介護要因である。骨格筋と骨の間には「筋・骨連関」が存在し、骨粗鬆症とサルコペニアは合併しやすいことが知られており、近年これらの合併した状態はオステオサルコペニアと呼ばれ、骨粗鬆症単独、サルコペニア単独のいずれよりも転倒・骨折の高リスク群であることが報告されている。しかしながら、オステオサルコペニアの病態、実態に関しては不明な点が多く、治療法も確立されていない。そこで、本研究では骨粗鬆症患者を対象としたオステオサルコペニアに関する実態調査を行うことで、オステオサルコペニアの有病率や臨床的特徴、運動機能との関連性を明らかにするとともに、オステオサルコペニア発見のためのスクリーニングツールを確立させることを目的とした。さらに既存の骨粗鬆症治療薬のオステオサルコペニアへの影響を検討することでオステオサルコペニアの効果的治療法を見出すことも目的とした。 令和5年度は、症例登録およびデータの集積の継続を行うとともに、骨粗鬆症患者におけるサルコペニアのスクリーニングツール(SARC-F、SARC-CalF、下腿周囲長)の有用性に関する論文を作成し投稿中である。また、女性の骨粗鬆症患者における下肢運動機能に関して解析・検討を行い、女性の骨粗鬆症患者では、骨格筋量、握力の低下に加えて、バランス機能の低下を認められ、転倒リスクが高いことを報告し、さらに女性の骨粗鬆症患者における転倒と下肢運動機能に関して更なる解析・検討を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、学会報告を1報(骨粗鬆症における下肢運動機能の評価)行った。今後更に解析・検討を行い、骨粗鬆症患者における転倒歴と下肢運動機能に関する学会報告を行うとともに、論文作成を検討している。また、サルコペニアスクリーニングツールとしてのSARC-F、SARC-CalF、下腿周囲長の有用性に関する検討に関する論文は投稿中であり、既存の骨粗鬆症治療薬がオステオサルコペニアに及ぼす影響に関して症例集積を継続している。以上より概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
①オステオサルコペニアのスクリーニングツールとしてのSARC-F、SARC-CalFの有用性検討に関しては、論文投稿中である。②オステオサルコペニアの有病率および臨床的特徴の解明、③オステオサルコペニアと運動動作機能の関連性の解明に関しては、今後報告および論文作成を進めていく。④既存の骨粗鬆症治療薬がオステオサルコペニアに及ぼす影響の解明に関しては引き続き症例登録及びデータ収集を進めていくとともに今後解析および報告を進めていく。
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Causes of Carryover |
本年度は臨床研究として対象患者の登録やデータ解析に加えて項目によっては報告などを行っていたが、論文に関しては投稿中であることや、既存の骨粗鬆症治療薬がオステオサルコペニアに及ぼす影響に関してはデータ集積が不十分のため生化学的分析などが十分できていないことなどがあり、次年度使用額が生じた。次年度以降は検体の生化学的分析や成果発表、学術論文の投稿に向けて使用していく予定である。
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