2022 Fiscal Year Research-status Report
微細構造による濡れ性の制御に向けた大規模数値シミュレーションとトポロジー最適化
Project/Area Number |
22K12058
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大西 順也 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 研究員 (20376495)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ハイパフォーマンス・コンピューティング / 濡れ / 微細構造 / 流体工学 / 混相流 / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大規模並列計算技術を活用することで、流動・伝熱・気液界面挙動の相互干渉による非定常マルチスケール・マルチフィジックス現象に対する直接数値シミュレーションを実現し、微細構造表面上の濡れ現象を機構論的に解明する。また、上記の直接数値シミュレーションに対して、随伴解析に基づいたトポロジー最適化手法を組み合わせることで、微細構造の最適化を試みる。具体的には、a)Cassie状態における静的接触角の最大化、b)Wenzel-Cassie転移におけるエネルギー障壁の最大化、c)微細構造内部における毛管流れの最大化の各最適化問題に対して実際にトポロジー最適化手法を適用し、特性や効果を評価、検証することで、濡れ現象に関する最適化技術を確立する。 本年度は、主に、数値シミュレーションで用いる計算モデル、および、計算プログラムの検証として、計算精度・計算効率の妥当性、現象の再現性を確認した。特に、再現性の確認では、矩形流路中の毛管流れに関する数値シミュレーションを実施し、既存の実験結果との比較検証を実施した。一方、最適化計算については、矩形流路内の毛管流れの流量が最大となるアスペクト比を数値シミュレーション結果から評価し、既存の実験・理論との比較検証を実施した。さらに、先行研究で提案された手法の性能を評価するため、その手法を実装した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計算モデルの精度検証は概ね順調に実施できた。また、矩形流路内の毛管流れに関する最適化についても、順調に実施できた。ただし、今回順当な結果が得られたのはbrute force的なアプローチだけであり、随伴解析に基づいたアプローチではうまくいかなかった。実装上の問題や手法の原理的な問題など、多方面から原因を探っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は必要な計算資源が増加することが想定されるので、計算資源を増強するなどして、計画通りに解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
別途計算資源が確保できたため,スパコン利用料を当初の予定より減額した.また,参加を予定していた学会がオンライン開催となったため,旅費を当初の予定より減額した.
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